【アパマン人災】起こるべくして起きた札幌市平岸スプレー缶爆発事故【ヘヤシュスプレーノルマ】

 

12月16日、札幌市豊平区平岸でおきた爆発、炎上事故。のちになって、爆発事故原因が不動産会社「アパマンショップ」に常備してあった除菌・消臭剤「ヘヤシュ」にあることが判明。

18日にもフランチャイズの㈱APリーシング北海道社長が会見を行うこととなった。今記事ではその内容を紹介しながら、時系列で事件の起きた状況を考えていきたいと思う。

事件前①「平岸駅前店、二日後の移転によるバタバタ」

このアパマンショップ平岸駅前店は二日後に改装予定であった。この店舗ではない元従業員の話によると

ガス抜き後、スプレー缶は本部が引き取る

顧客に「除菌・消臭」を行ったと説明しているにも関わらず、忙しくて忘れることもあった

契約本数とスプレー缶の本数が合わず、本社から指摘を受けることもあった

さらに、こちらはほかの従業員の話である。

使用期限は二年。一月当たり30缶ほど送られてくる

この「送られてくる」という言い回しが気になった。どうやらこの商品は店舗が独自に本部に発注、依頼して送られてくるものではなく、定期的に送られてくるシステムだったようだ。

 

要は、本部はこの「除菌・消臭スプレーヘヤシュ」をフランチャイズ店舗に送ることには熱心だったが、管理方法、安全管理には関心がなく、フランチャイズ店舗が顧客から一万円から二万円の「消臭代」を取ることにも無関心だったが、使った缶を返却するときだけ、齟齬に煩かった、ということだ。

 

 

事件前②本部バレを防ぐためには資源ゴミ。「そうだ、スプレー缶捨てよう」

上記の状況を踏まえると、このアパマンショップ平岸駅前店の従業員がどういう思考回路になるかはだいたい想像はつくかと思う。

〇本部に缶を返却すると未施工(消臭したと言って何もしてない)未使用缶が120本近くあるのがバレる

〇そうするとそのことについて追及される

〇そうだ引っ越しもあるから、この機会に始末しよう

〇そうだ、火曜日は缶ゴミの日だから日・月になんとかすればいい

こういう考えに陥ったのはほぼ確実だろう。

こちらは札幌市豊平区のごみカレンダーだ。

引用元:札幌市ごみ収集カレンダー豊平区版より

18日火曜日がスプレー缶ごみの日だから処分を急いだ。18日は引っ越しだから

 

正直時間がない

やるしかない

月曜になると従業員に見られて漏れるかも

という厳しい状況になってくる。

だから「日曜の仕事後に100缶もスプレー缶始末させられて可哀想」というのはおそらく違っていて「店が終わった後人目を避けて、見とがめられることなく全部始末したいから」という状況のほうが合致していると思う。

要は「店が閉まった後、閉店後」でなければこの作業はできなかったのだ。

 

事件前③事件8時間前。店の裏でスプレー始末を試みる

事件の起きる8時間前、従業員の男性二人はこの缶の始末を試み、複数の人に目撃されていた。

昼の12時15分ごろ噴霧を目撃した女性の話

このぐらいの時間に建物(アパマンの横)を通りました。20代ぐらいの男性が二人、ガスボンベのようなものを持っていて、すごい勢いでスプレーを出していたんです。

手元が白くなるぐらい出していて。白い缶で縦長でした。お店側、壁側に向かってやっていました。

足元にある段ボール箱にも複数のスプレー缶がありました。

 

このスプレーは8畳用。8畳分すべてに拡散するには、相当な煙の量だと思われ、しかも目撃者の人からも「手元が真っ白になるぐらい」という話が出ている。

ほんの一本、二本でも噴霧すれば相当な煙がでたはずで、相当目立ったことは間違いない。通行人からも間違いなく不審な目で見られたはずだ。

加えて北海道の気温は当時最高気温4.9度。とても外にずっといられる気温ではない。しかもそれを120本。

手噴射でどう考えても終わるわけない

となる。ここで理解不能なのが

「そうだ!閉店後、全部自動噴霧しちゃえばいいんじゃない!」

に飛躍してしまうことだ。この時点で、爆発事故へのカウントダウンが始まっていたのである。

事件前④事件直前の状況。机の上に120缶乗せ、一気に噴霧

 

ここからは㈱アパマンショップリーリーシング北海道 佐藤大生社長の会見から当時の状況をまとめていく。

 

質問:スプレー缶はどこに置いていた?

社長:机の上に置いて散布したと言っていました。

(120缶を)一気に全部?

はい。

なぜ120本ガスを抜いた?

2日後に店舗の改装がございまして、古い店舗だったので、新しくリニューアルしようということで荷物の整理をさせていただいておりました。

その際に余った在庫がありまして、その在庫処分をしたという風に昨日病院で(従業員に)聞いて確認を取らせていただきました。

実際店舗の方には(缶が)実際160本ほどございまして、その中の120本を散布したと。残りの本数に対しては残しておいた、という風に聞いております。

すべて(ガス抜きを)店舗の中でしていた?120本すべての本数を?

はい。すべてです。

閉店後夜8時、机の上4か所にスプレー缶120本を並べ、店長が一人で噴射させていった

相当充満した室内だったみたい。中がもう真っ白になっていた(社長談)

店長らは煙で室内に居られず、一旦外に出たが・・・

15分経って再び室内に戻ったところ、まだ曇って充満している状態だったので、次の日には収まっているだろうということで帰ろうとした。

何を思ったか、店長は手が汚れていたので、そのまま中に入って荷物を取って手を洗おうと給湯器を押した瞬間に爆発した。

これがアパマンショップリーリーシング北海道 佐藤大生社長が会見で話した事件の起きた経緯である。

なんとこの会見で佐藤氏はスプレー缶の状況について、除菌消臭契約を顧客と結びながら実施していなかったことも認めた

今回の件に関しまして未施工(顧客に消臭代を徴収していながら何もしていなかったこと)があったということも聞いておりますので

後から暴かれることを想定してのことかもしれないが、これを社長が会見で認めたことには驚いた。状況が状況だけに、これが後からわかった場合のダメージは計り知れないと判断したためのコメントかもしれない。

 

☟会社(アパマン株式会社)の公式謝罪文

 

注:ちょっと次の章は長いんで飛ばしてもらって構いません。ヘヤシュの成分について分析してます。

 

ヘヤシュって噴霧しまくって大丈夫?結構色々入ってるんじゃないかと思うんだが

 

前記事でこのヘヤシュの含有成分が分からない、という話をしたが、TVなどでようやくヘヤシュの裏ラベルが紹介されたのでここに紹介する。かなりヤバそうなことが書いてあることに驚く。

まずこの危険物等級でいうとこのスプレーは(四類:引火性液体の項)が該当すると思われる。この項のⅡはアルコール。上記のラベルにも記載してある通り、アルコールが多く含まれているため、危険物の扱いになっているものだということがわかる。

ちなみにこの商品にはエアゾールも含まれていると書いてある。

神奈川県川崎市において、エアゾール製品を大量(約19万8千本)に保管している倉庫で火災が発生し、鎮火までに長時間を要しました。
調査の結果、保管されていたエアゾール製品の内容物は危険物第四類第一石油類に該当し、指定数量を大幅に超えて保管されていたにもかかわらず、消防法第10条に基づく仮貯蔵の承認及び第11条に基づく許可を受けていなかったこと
また、当該エアゾール製品は、噴射剤として使用されている液化石油ガスの総量が消防法第9条の3に規定する数量以上であったにもかかわらず、消防機関に届出がなされていなかったことが判明しました。

えーとですね、まずこの可燃性物質が含まれた缶を160本保有してた時点でアパマンショップ平岸駅前店、多分この消防法9条3項に違反してるんじゃないでしょうか。

(圧縮アセチレンガス等の貯蔵・取扱いの届出) 

九条の三 圧縮アセチレンガス、液化石油ガスその他の火災予防又は消火活動に重大な支障を生ずるおそれのある物質で政令で定めるものを貯蔵し、又は取り扱う者は、あらかじめ、その旨を所轄消防長又は消防署長に届け出なければならない。

東京消防庁消防設備協同組合「消防法」より引用

 

もともとこのヘヤシュ、相当に扱いに注意しなければならなかった危険物だったわけです。これが160本もあったんだからたまらない。

しかも120本分のこの可燃性ガスが充満しているところに自ら給湯器で着火ですよ。

・・・もうなんもいえねえ・・・

スプレーに火を近づけちゃいけないって多分常識なんだと思うんだけど、そこから教えないといけないとは・・・・

常識って難しいですよね・・・知ってるの前提だけど、まさか知らない人がいるとは思わないですからね・・・

この画像二回目ですけど今度は右のほうのラベルを見てください。

怖くないですか!?

何が怖いって

強い目刺激、遺伝子疾患のおそれ、胎児への悪影響の恐れ、呼吸障害の恐れ、臓器障害

とかさらりと書いてあること。

おいそんなもの外で噴霧しとったんかアパマンショップ平岸店は!

危険極まりないし、通り掛かった人大迷惑じゃないですか!?しかも、これ部屋の消臭・除菌すると称して部屋に噴霧しまくってたわけですよね!?

除菌どころか体に悪いやないか 

しかも噴霧して、結局その含有成分ってどこかに行くわけでもなんでもなく、賃貸物件の部屋中に付着して残留してるわけじゃないですか、あちこちに。

シックハウス症候群どころの話じゃないって!!

なんで一万から二万近く払って、こんな得体のしれない成分が付きまくった部屋に入んなきゃなんないんですか!?

だって原価は1000円なんでしょ!?だったらもっと原材料は安いものを使ってるはずですよ。

そんな安い成分使ってるんだからろくなもんじゃないことは確かです。ドラッグストアで買ってきた消臭スプレーでも撒いておくほうがなんぼかマシだと思う。

誰もアパマンの会社の人は触れないけど

①可燃性ガスの含まれてるものを店舗で多数所持してたこと

②従業員に対する危険物取り扱いの指導がなってなかったこと

③危険物の本数をきちんと管理していなかったこと

④賃貸前の部屋で使うものが可燃性であることを従業員に周知すべきだったこと

⑤上に紹介したような重篤疾患を引き起こす成分に対する安全性の説明

これぐらいは最低限説明してほしいし、スプレー丸投げであとは勝手にやって!じゃあまりにも無責任じゃないですか、企業として。

フランチャイズだから関係ない、っていうのはちょっと無責任だと思います。もちろん悪かったのは120本も同時スプレー噴霧して可燃性ガスが充満した場所でガス給湯器付けた人ですけど、上に上げたような要因も間違いなくこの事故の原因じゃないですか。

 

総括

社長の会見で大体のことが分かったとはいえ、この佐藤社長はアパマン北海道のフランチャイズの社長であって「アパマン」の社長ではない。

上記に紹介した謝罪文はアパマン株式会社の謝罪文だが、正直あれだけのことが起きたのなら一言直接謝罪の一言ぐらいあってもいいと思う。

しかも謝罪文は今後の業務のこととか株主対応のことに終始していて、迷惑が掛かったりケガをした人に対する誠意は見られない。

この年末の大切な時期に、家にいられなくなったり住めなくなっている人に対しての対応としてはあまりにもお粗末だと言わざるを得ない。

 


指パッチンで点火するキャラ「松永久秀」が出てくる「宴」

🐾前記事です。事件概要中心に紹介しています。

🐾今回起きた現象「爆轟」とは何か、アパマンショップの店長が無事だった理由を建物構造と共に考えました

 


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