アマゾンプライムで「ジョンベネ殺害事件の真相」を見たので感想を書く

 

マスコミが後追い報道してくれないんで自分で見ました「ジョンベネ事件の真相」

 

先日アマゾン・プライムで「CRIME INVESTIGATION」というチャンネルをおすすめされていたので見てみました。日本語で言えば「犯罪捜査」というタイトル。

そこで「おすすめ」に挙がっていたのがこの番組「ジョンベネ殺害事件の真相」でした。

ジョンベネ殺害事件の真相(字幕版)
ジョンベネ殺害事件の真相(字幕版)

 

ジョンベネ事件といえば、1996年に起きた超有名な事件。幼い子供が被害にあった非常に痛ましい事件で、22年経った現在に及ぶまで未解決の事件だ。

当時高校生~大学生であった人ならば強く印象に残っている事件かと思う。この数年前O・J・シンプソン事件なども起きていて、アメリカでとにかく大きな事件がひんぱんに起きていた時期に重なる。

日本でも何度もセンセーショナルに取り上げられた。

ところが、事件当時の大きな取り扱いの後、きちんとした検証や追加放送がされたという記憶はあまり残ってない。

断片的に(おそらくアンビリバボーやごく短いスペシャル番組等)を見た人ならば、家族、特に母親が疑われていた、ということだけは知っている人も多いかもしれない。

そうなるとどうなるかというと、日本では「疑われる」=「ほぼ犯人」に近い扱いになってしまい、ほとんどの人の中では「あれの犯人は家族でしょ」「母親がクロ」「兄犯行説を両親がかばった説」でそれが「家族によって起きた犯罪」という風に沈着してしまっていると思う

 

注:今記事は個人の感想を含み非常に長くなっております。事件の概要や現状を知りたい方はすぐ下の項「日本でのジョンベネ事件追加報道」の章と「まとめ」だけを読んでいただければ現状が分かるようになっております。

日本での「ジョンベネ事件」追加報道

注:2016年、フジテレビの「アンビリバボー」で現時点で分かっている内容が報道された。

 フジテレビ 
奇跡体験!アンビリバボー - フジテレビ
https://www.fujitv.co.jp/unb/contents/161215_1.html
奇跡体験!アンビリバボー - オフィシャルサイト。毎週木曜よる7時57分放送。世界中の幸福な奇跡、常識や科学では解明できない超常現象、怪奇現象などアンビリバボーな話をお送りします。

☝上記リンクの内容をざっと見れば、事件の概要が伝わりやすい。見た感じ、私が見た「ジョンベネ事件の真相」をベースにして番組作りをしているようにも見える。

アメリカ本国で「ジョンベネ事件の~」が放映されたのは2015年、アンビリバボーでこの内容が纏められたのは一年後の2016年である。

 

「自己顕示欲の強い母親が娘を利用した」そんなフィルターはすべてを曇らせる

 

ワイドショーの映像であろう、コンテストで歌い踊るジョンベネちゃんの上の動画にもこのようなナレーションが入っている。

「ジョンベネちゃんの美しい顔にも心なしか暗い影があるように思える」

「母親と娘の間には、一体どんなコミュニケーションがあったのだろうか」

「6歳の少女とは思えないセクシーな表情を見せたジョンベネちゃん」

おいおい、それはちっと強引じゃねえか!?と今20年近くの時間を置いてこうした映像を見て正直そう思わざるを得ない。

暗い影・・・!?どこがセクシーな表情!?媚びてるって言いたいんだろうか・・・全然そんな風には見えないんですが・・・

 

「結論ありき」のワイドショー映像でほとんどの人が皆家族を疑った

ジョンベネちゃん事件のころ、私は大学生でした。あの頃は、こんなフィルターを掛けられまくったワイドショー映像を見た人が大半だから、ハナっから誰だって家族を疑うと思う。

なぜなら「結論ありき」の作り方をしているから。

23年を経て当時の世論のフィルターなしに大人としての視点で見てみると、完全にそういう風にマスコミは誘導しようとしてるようにしか見えないのです。

ただでさえ、あの当時の報道の仕方はこんな風潮でした。

「母親が無理強いして大人がやるようなことを娘にやらせている、かわいそう」

「あんな子供ミスコンに出すなんておかしい!ステージママが行き過ぎてるんじゃない?」

連日ワイドショーで垂れ流されたあの動画。ジョンベネちゃんが大人みたいな化粧をしてる画像も、上の動画にもあるフリフリ踊るダンスも良く紹介されていました。

もうマスコミの誘導したい方向は一つですよね。

「小さな子に大人がするようなケバケバしい化粧させて。少女じゃなくて女にさせてる」 

つまり母親が怪しい、と。はっきり言わずとも、そう思わせたいのが見え見えです。

 

どうしてあのミスコンの映像ばかりマスコミは取り上げるのか

大抵の人は「親が見栄っ張りなのだろう」「娘はやりたくもないのに無理に親にやらされていたのだろう」「母親が自分の夢を無理に娘に押し付けていたのだろう」という思考回路に陥り、ラムジー一家をあたかもモンスター一家のようにイメージした。

母パッツィは、娘に過大な期待を持ち、幼いころから女を売りにさせようとしているおかしな母親として。父親はよく考えが分からない人物として。兄は、何かを知っているくせに話そうとしない、これまた奇妙な人物として。

単純に疑問なのだが、なぜ日本でもアメリカでもあのミスコンの動画ばかり使われるのだろう。

家族と楽し気に(母親に抱きしめられながら)クリスマスを祝うラムジー一家の動画を「ジョンベネ殺害事件の真相」で見たのだが、とても幸福そうで仲睦まじい一家に見えた。

ああいう動画がずっとテレビで流れていれば「家族が怪しい」なんて思わないと思うんです。

少なくとも、意図的に「ホレホレ娘をこんなミス・コンに出すような変な母親ですぜ~!怪しいね、完全にクロだね」と思わせるみたいにしつこくしつこくあの動画を使い続けるのはそれこそ意図的すぎて気持ち悪い。

なぜならば、事実を一面だけしか伝えてないですもん。誰だって、物事には一つの見方だけではなく、いろいろな方向から見た見方がある、ということは知っています。

しかし、報道される時点で意図的なフィルター、編集が入ってしまえば、それを見る側は知ることができない。だから同じ面だけを見続け、同じ思考にみんなが誘導される。

少なくとも、一つの事象を多方面から考えるための素材は最低限提供するべきで、これでは完全にマスコミは見る側を馬鹿にしているとしか思えません。

遠い日本でも、あの大人びたダンスをするジョン・ベネの映像は幾度も流され、そうした風潮があったのだから、ましてアメリカでは「娘に大人びたことを無理強いするダメな母親」というムードが流れていたことと思う。

 

しかし最初からこの報道には意図的にバイアスが掛けられていた

だれに?マスコミが「不必要」と判断した情報を勝手に切り取ったことである。

ジョン・ベネの母「パッツィ・ラムジー」は元ミス・ウエストバージニアで、妹も母親もミスを取った美しい女性たちだった

この情報は完全に意図的、または特に重要でないとカットされていた事柄であろう。

私もあれだけ沢山の報道を日本でも目にしたが、これは正直この番組を見たことで初めて知ったことだった。

日本では「一族みんな東大」だとか「一族のほとんどが医者か歯科医」のような家系があり、医者という職業の権威もあって「いい話」として受け止められているし、好感を持って受け止められる話だと思う。

この話を踏まえて「おばさんもお祖母さんも母親もミスを取っているから、その美しい娘にもミスを取ってもらいたい」と思うのはそれほど「娘に大人びたことを無理強いするダメな母親」なのだろうか。

もしかして、娘も「お祖母ちゃんもお母さんも取ったミスを、あたしも取りたい」とあこがれたのかもしれないし、あっても不思議ではない心理である。

 

美のエリート一家の美しい愛娘なら、別に嫌々じゃないと思うんだなあ・・・

まったくミス・コンに縁のない母親が「娘を自分の果たせなかった夢を実現させるためにミスコンに出す」ということと、一族で何人もミスを取っている母親が「娘をミスコンに出す」ということでは全く意味合いが異なってくるし、印象も変わってくると思うのである。

もはやこのうちのお家芸みたいなもので、周囲に実際にそうした人々がいるのだから「私もミスになりたい」と思うのはごく自然なことであろうと思う。

唐突にお母さんが「ミスアメリカになりなさい」と言い、泣いて嫌がるものを無理に「ミスアメリカになりなさいっていったらなりなさい!」と強要してやらせたなら完全に虐待の域だが、そうは見えないし。

いくら小さいからと言って、親が強要したからといって無理にあそこまで歌い踊らせるのは無理じゃないのかな・・・と思うわけです。

普通に楽しそうに、ただ「きれいな格好をして、みんなに綺麗だね、綺麗だねと言われるのが好き」「みんなが褒めてくれるから嬉しい」とあのぐらいの女の子なら誰でも持っている「プリンセス願望」を振り撒いているだけじゃないのか、と。

ものすごいかわいい顔をしている、ごく当たり前の無邪気でおませな女の子(やや大人びているだけの)女の子に見えてしまうのだ。

 

「疑惑の母親」になったパッツィ・ラムジーの悲劇

あの有名な事件で「犯人」だと全米から糾弾を受けた被害者の母、パッツィ・ラムジー(ラムジー夫妻)は何度もテレビショーに出演し、潔白と事件の真相究明を訴えた。

ところが、そうして懸命に無実を訴えるパッツィに皆の目は冷たかった。

なぜなら、幾度も流されたジョン・ベネの大人びたダンスと美少女コンテストのドギツい化粧「子供なのにあんなあざといことをやらされて」という世間の目は変わらなかったのである。

日本でもパッツィ・ラムジーは「娘を自分の果たせなかった夢を実現させるためにミスコンに出している」という文脈で取り扱われ、報道されていたと思う。

だからすぐに世間は「ダメな母親」「ミーハーで娘を売り物にすることしか考えてない」「娘のことより自分の見栄を大事にしている」という解釈のしやすい人物像に飛びつく。

なぜなら、そっちのほうが簡単だしわかりやすいから。

 

恐怖の三段論法「ダメな、変な母親」→「あんな事件を起こしても無理はない」→犯人

「ジョンベネ殺害事件の真相」には母パッツィ・ラムジーの知人のインタビュー画像が何回か挟まれている。

パッツィはひどく憔悴していたんです、薬も飲んでいたと思います。家族皆で無実を訴えました。でも、それが疑わしいと思われてしまったのです。

このシーンを見ていて感じたのは、ある意味アメリカというのは非常に公平なようで、日本より怖い風土があるかもしれない、ということ。

犯罪にかかわったと見なされた人たちが顔や姿をテレビで晒し、自分の口できちんと話をする場がある。これはとてもフェアなことだし、疑われている人にも正当な発言権があるというのは良いことだと思う。

しかし、それは話す人間が大半の人間に好感をもたれたり同情された場合にのみであって、もしこのパッツィのように、憔悴や疲れが取れぬままテレビカメラの前に現れ、視聴者に反感を持たれたり疑われた場合、一気に逆風に変わる。もしその人間が無実であっても、である。

実際、ラムジー一家はテレビの前の視聴者に好感を持たれることはなく「さらに怪しい」と思われただけだったのだ。折悪く、ジョンベネ事件の少し前、テレビの前で子供の事件の解決を涙ながらに訴えた母親が実際は犯人であった、という件があり、疑われてしまう土壌があらかじめ出来てしまっていた。

パッツィは昔すこしの間女優の勉強をしていたことがあった。だから「演技は得意なのだろう」「嘘を演技でごまかすぐらいお手の物だろう」というフィルターも入ってしまったのだ。

さらに、パッツィの一族がミスを取っていることも知らされぬまま、先に挙げてきた「浮かれた、浮ついたことばかり考えて、娘をミス・コンに出しているダメ母」というフィルターも間違いなく影響していたと思う。

もう何を言っても裏目に出るとはこのことだろう。なぜなら、大半の人間は娘をミスコンに出したこともないし、自分もミスコンに出たことなどないのだから。

 

パッツィは物凄い特殊な環境の女性だから、どうしても理解されない。

怖いのはここからで

このインタビューで「疑わしい」と大半の人に思われてしまったせいで、彼女を含め、一家すべてが「クロ」だとされ、結局彼女は疑いを晴らせぬまま、49歳で卵巣がんで亡くなった。

パッツィの知人は、間違いなくそうしたあれこれ(娘の死、犯人扱いや、家族への疑い、取り調べ)が再発の原因になったことは間違いない、とインタビューで話している。

それはそうでしょう。大変なストレスを受けたことは間違いないのだから。

 

つくづく報道って無責任だな、って

こうしたことをふと「あれはどうなったんだろう」と思う返すたび、つくづく報道というのは無責任だな、と思うのだ。

散々世の中に不確かな(犯人でもないかもしれない人を)疑わしいという説を広め、そのあと後追いも検証も訂正もすることがない。当然、報道を見た人の記憶は「そのときのまま」で止まることになる。

果たしてこんなことが許されていいのだろうか。こういうのはマスコミ独特のやりかたのような気がしてならない。通常の企業であれば、誤り、新しいこと、訂正があれば正し、放りっぱなしなどありえない。

しかしマスコミは単なる「言いっぱなし」だ。これでは言ったものがちで、たとえそれが間違っていたとしても、その責任を問われることはないのだ。

すでに犯罪者にされたパッツィはこの世にない。ならばせめてその汚名を濯ぐための報道はきちんとすべきだと思う。この番組だけではまだ足りないし、日本でもそのことを知らない人は多いのだから。

 

まとめ

「ジョンベネ殺害事件の真相」では、当時家族、特にパッツィが疑われた事柄についてひとつひとつ究明している。

①家にあったメモ用紙に書かれた脅迫状はパッツィの筆跡とされたが、鑑定の結果彼女の筆跡ではなかった

②内部犯行説が根強かったのは、外部からの侵入が難しかったとされていたが、実際には一部家のカギが壊れており、家族が寝静まるのを待って犯人が犯行に及んだとされている

③ジョンベネちゃんの服から見つかった犯人の付着DNA(指や手のひらから剥がれた皮膚片など)、残存DNAから家族以外の人間のDNAが見つかった(付着DNAは鑑定過程で付いたものの疑いもある)

④メアリー・レイシー検事が家族に疑いを掛けたことを公式に謝罪(2008年7月9日付)

 

地元ボールダー郡検察は9日、新たなDNA鑑定の結果ジョンベネちゃんの家族に対する容疑が晴れたとして、家族に謝罪した。

ジョンベネちゃん事件では、警察の捜査が難航する中、遺体の第一発見者だった父親ジョンさん、母親のパトリシア(パッツィ)さんと兄バークさんの一家3人に、事件に関与した疑いがかけられた。

メアリー・レイシー地方検事はラムジー一家にあてた手紙の中で、検察団は遺族に容疑をかけたことを「深くお詫びする」と述べた

引用元:AFP BBNEWS 「ジョンベネちゃん事件で遺族の無実が確定、検察が謝罪」より

 

「ジョン・ベネ殺害事件の真相」はアマゾンプライムの「CRIME INVESTIGATION」というチャンネルで見られます。二週間のお試し視聴で申し込み→アカウントサービスでPrime Videoチャンネルの管理→登録チャンネルの解除 ですぐCRIME INVESTIGATIONを解除しておけば、二週間の間無料でCRIME INVESTIGATIONが見られます。リア・レミニの告発番組や、O.Jシンプソンの裁判の番組もあり、非常に見ごたえがありました。

すぐ解除しておけば知らない間にお金を取られることもなく、お試しで利用した扱いになり、安心して二週間無料でこのチャンネルが見られます。二週間すぎた後はお試しが終了するので見られなくなりますが、興味を持たれた方は良かったら見てみてください。

注:見ているのがキツい場面、悲しい部分が多々ありますので、小さなお子さんをお持ちの方は視聴するときは十分注意してください。悲惨な事件なので、見るのが辛いかもしれません。

 

追記:22年ぶりに事件解決か

2019年1月11日、ジョンベネ事件の犯人と思われる男「ゲイリー・オリバ」が知人に犯行を自白しているともとれる手紙を送っていたことが分かった。

次記事では現時点で判明している事柄をまとめました。

 

 

追記:ジョン・ベネ事件 Netflix オリジナル・ドラマで取り上げられる

Netflix

Netflixでオリジナル・ドラマ「ジョンベネ事件の謎」が公開されているようです。

こちらは上記の「ジョンベネ殺害事件の真相」のように事件関係者へのインタビュー・事件の検証とは違う切り口で、この事件映像化の際にオーディションを受けに来たひとたちへのインタビューを通し「世間」がこの事件をどうとらえていたか、という観点のドキュメンタリーになります。

上の方がおっしゃってるように、再現ドラマの俳優さんはすべて地元の方だそうで・・・

それは事件に対するシンクロ度も高くなると思うし、よりリアルな地元の「民意」というやつが分かりやすくなりますね。

 

(予告動画↓ 全部英語・字幕ありは下のNetflixのページにあります)

 

(字幕付き予告あり)

(↓スマホ・端末用アプリ)

 


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