どうもこんにちは。愛媛県出身のブログ主です。樋田容疑者の件、遠く離れた大阪で起きた話だと思っていたのですが、まさか自分の地元がかかわってくるとは思ってもおらず、まさかの大関与で非常に驚いています。
さて今記事ではこのあたりのあらましを紹介しながら、地元の県民性などを紹介し、なぜ樋田容疑者を(樋田と知らず)歓待してしまったのか、という背景について考えてみたいと思います。
<富田林逃走>自転車の旅「48日8府県1000キロ」判明|毎日新聞 https://t.co/B0xo4bXLgA ◇「日本一周」は道半ば…大阪からの逃走ルート概要が明らかに 大阪府警富田林署から逃げたとして加重逃走容疑で逮捕された樋田淳也(ひだ・じゅんや)容疑者(30)の逃走ルートの概要が、各地の住民らへの取材で明… pic.twitter.com/pESjNQVkEQ
— ホットニュース (@_RankingNews) October 4, 2018
目次
四国は(地味な)「サイクルスポット」でもある
もともと愛媛はしまなみ海道という自転車で走れる橋が架かっているので自転車乗りには有名な土地です。
しまなみ海道。本州と四国を島と橋が繋げてくれます。
海の上を自転車で渡れます。#だるま猫の一枚#愛媛 #しまなみ海道 #今治 pic.twitter.com/u15TWGM6pI— ゆう☆だるま猫 (@yukino_daruma) October 4, 2018
上の方のツイートにも紹介されているように、海の上に架かっているこの大きな橋の横に自転車道が整備されており、海の上を景色を眺めながら自転車で走れるという大きな売りがあり、全国の自転車乗りを引き付けています。
よって、愛媛県庁に「自転車文化推進課」などという課もあるのですね。
お遍路さんでも、八十八箇所を回った後に、最後に高野山に登るというようなことが定着していますけれども、同じように四国一周した後、最後にしまなみ海道、サイクリストの聖地に到達するというようなことを想定して、考えていくことができればというふうに思っているところであります。
上記のように記者会見で愛媛県の中村知事が「サイクルアイランド四国」思想をぶち上げていることからも、愛媛がこれまでの「道後温泉」「松山城」「坂の上の雲」という固定ブランドを生かしつつ、四国を新たなレジャーアイランドとして活性化していく方向はすでにあったわけなのです。
だからそんな「自転車文化推進課」をつくってまで張り切っている土地柄に「僕は日本一周サイクリストです!愛媛も走ってます!」なんて顔して飛び込んでったらどうなります!?
大歓待、それ一択でしょうね!
ようこそいらっしゃいませ愛媛へ!!いつもそんな心理の田舎県なのである
News Today : 樋田容疑者、逃走中に高知で職務質問「お遍路さんと思った」 https://t.co/pS9VRZ0R3H pic.twitter.com/fodyTgwDzF
— News Today (@30SmlzzO8Z4d6cO) October 5, 2018
愛媛は観光でやっている土地柄なので市民も観光客慣れしていますが、四国はもともと「お遍路さん」という巡礼者がやってくる土地なのです。
88か所の寺を巡礼する旅人はあらゆる土地から四国に集まってきます。
まず「よくこんな田舎に来てくれたねえ、ありがとう」という気持ちもあるし「わざわざ遠くからお疲れさまですね」という気持ちもあります。
だから樋田容疑者が「僕は四国を旅するサイクリスト!応援よろ」という顔で堂々と県庁に行ったら当然そんな土地柄ですから、わざわざうちの県に来てくださった方!という風にしか思われませんし「頑張ってください応援してます!」ってお菓子のひとつやふたつ差し入れされていてもおかしくはない。
https://twitter.com/product1954/status/1047717920346755073
四国の人間には生まれながらに「お遍路さんブースト」がある
徳さんのお遍路さん 遍路は続くよ どんどんどこまでもスペシャル【TBSオンデマンド】
樋田容疑者はお遍路さんの格好をしていたということで倍率ドン!

はらたいらさんに3000点
画像引用元:yahoo知恵袋「倍率ドン!」
ああ、そりゃだまされますわな・・・という感じですよ。お遍路さんに対して四国の人間は「修行している偉い人だ」という概念が元々あり、年寄りの人なんか手を合わせる人もいるぐらいです。
疑うどころか、差し入れしたりねぎらったりする風土が根付いているんですよ。もともとお遍路さんの傘には「同行二人」という文言があります。
四国八十八ヵ所 巡礼用 お遍路竹笠 農作業にも使えます。 【お遍路用品/巡礼用品】 (文字入りタイプ)
これは巡礼者と一緒に「弘法大師さまが」一緒に回っている、だから「同行二人」なのです。だからお遍路さんを大切にするのはいわば「お大師様にも」親切をしている、という考えなんですね。
お遍路さん詐欺だよ。四国の人間はお遍路さんには親切にするように教育されてるからな。富田林署逃走:樋田容疑者四国全県に お遍路のような姿で (毎日新聞) – LINEアカウントメディア https://t.co/TueQzAi5Gq #linenews @news_line_meさんから
— yoshiki (@yoshiki523) October 9, 2018
愛媛の地元の昔話には、敬うべき偉いお遍路さんもいる一方、宿や食べ物を地元の人々が好意で提供してくれるのをいいことに、巡礼することではなく、ただで飲み食いしたり泊まったりすることを目的に遊びで遍路にやってくる「こじきへんど」→乞食みたいな遍路 という人々がいたことも伝えられています。
弘法大師さまが身をやつしたお遍路さんをその「たかりが目的のこじきの坊さん」だと勘違いし、冷たくあしらった男がたたりで子供が全て死に、救われるためにお遍路さんになった男「衛門三郎」の話も有名です。
つまり「お遍路さんは偉い」「お遍路さんを労わねば」という気持ちもありつつ、こういう昔話で「お遍路さんを粗末に扱うと恐ろしい」という刷り込みも子供のうちからされている訳です。
だから私たち四国の人間の感覚からするとこの樋田被告、昔話に出てくる悪質遍路そのものですし、非常に罰当たりです。お遍路さんをかたるなんて真面目に廻っている人たちにとても失礼だし、いつか何らかのバチがあたるだろう、そういう感覚です。
平和、のんき、お人よし。この三拍子が揃っているから騙された
樋田容疑者の件で愛媛県庁の行動が問題にされてるけど、ふらっと立ち寄った旅行者のために、出来合いの地図を渡すだけじゃなくてわざわざラミネート加工したプレートまで手作りしてあげて、役所ってそんなに親切なんだなとそこに注目してしまった
— psalm (@psalm0909) October 5, 2018
親切っていうか、ただ嬉しかっただけだと思うんですよ。「うちの県に来てくれてありがとうね!」という気持ちでやったことなんだとおもうので、このへんあんまり責めないでいてあげてほしいんですよ、何しろお人よしな土地柄なんですから。
古くは「福田和子逃走事件(5459日間逃亡)、最近では松山刑務所から男を脱走させてしまい、広島に逃走を許してしまうなど、警察関係の人もちょっとおっとりがすぎるきらいもある・・・
なにぶん普段からめちゃくちゃ平和な田舎町だから仕方ないんですけどね!樋田容疑者を逃走させてしまった富田林署がさんざん責め立てられておりますが、これが松山の警察であってもおかしくないですからね、ほんと・・・
基本的に愛媛県人はのんびり屋(おっとりともいう)なのであまり目立った凶悪犯罪などは起こりません(全国犯罪ランキングでは16位です)
ですので今回の「樋田容疑者脱走事件」も遠い土地で起きた、自分たちとはまったく関係のない出来事だと思っていた可能性が高いです。樋田容疑者に親切にした県庁の人も然りです。
ましてその逃走者がサイクリストに化けて県庁にくるなどといった発想は、県庁職員に江戸川コナンでもいないかぎり無理だと思います。
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もう樋田容疑者って完全にコナンにも金田一少年の事件簿にも出られるレベルだと思う。
コナンも金田一も「いやそれはちょっと無理が・・・」というトリックや変装トリックあるじゃないですか。あれを現実で実際にやってのけた人、という感じなんですよね。
金田一少年の事件簿外伝 犯人たちの事件簿(1) (週刊少年マガジンコミックス)
樋田容疑者のキャラが未だに分からない。「私たぶん三番目だから」
樋田って本当に変な人というか、よく分からないキャラクターの犯罪者だなと思うんですよ。
泥棒したり弱いものを狙うという「ド外道」であるにも関わらず、きちんと人に好かれ、親切にされる一面も持っている。どちらが彼のほんとうの姿なのか、というのは非常に悩ましいところではあります(まあ四国の人は「お遍路さん」に優しくしただけなんだけど・・・)
人間とはこんなに「善」と「悪」を分離できるものなのだろうか、と。彼がこれまで人に親切にされてきた「樋田」は本当に「騙すために」「便宜上作った好青年キャラ」だったのだろうか。
彼が本当はそんな自身演ずる「キレイな樋田」をどう思っていたのか、ということは彼自身にしか分からないのですが。
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☟樋田容疑はこの後余罪の放火で再逮捕されました(2018年11月)