前回の記事では災害直後の電話連絡について取り上げました。もし友達や親せきの安否が気になるなら、メールかラインにするのがベストだと思います。また「返事は大丈夫になってからでいいからね」と付け加えると相手も気が楽になります。
ただでさえ被災側は「みんなが心配してるだろう、教えたいけど連絡が取れない・・・申し訳ない・・・」と無駄な精神的負担を感じています。
心配側も「なにしてたんだ連絡もしないで!」と腹がたつかもしれませんが、連絡したくてもできない状況(携帯が充電できない、スマホ携帯などが洪水浸水などで壊れてしまった)などの状況も十分起こることで、連絡ができない側も相当なプレッシャーを感じているのです。
被災した側は「連絡しないと・・・連絡しないと・・・」とひっきりなしに考えています。
案じる気持ちもわかりますが、連絡できないほうもこんな風にかなり苦しんでいることを知ってもらえるとありがたいです。
さて長くなりましたが、今回の記事では数日だけではありますが、避難所に避難した経験から、避難する際に持っていくと役に立つものを紹介します。
避難所の床が寒い。ダウンコートはブランケットにも枕にも上掛けになる優秀品
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3.11が起きたとき、岩手県沿岸部は雪がちらつく寒い時期でした。そんな時期に避難したので、当然ダウンジャケットを着こんで近くの学校の体育館に避難しました。
しかしこれが結果的には大成功で、このダウンジャケットというやつは緊急避難には最高のグッズだったのです。まずこれを着、ジップを上げたままにしておくと当然暖かく保温性が高いです。
また、たいていの避難所になっている学校や公民館などは床が硬く、寒い時期は底冷えがします。そうして大抵避難せねばならない状態というのには停電が付きもので、広い広い体育館に暖房器具なしで私たちは小刻みに震えていました。
発電機をどこからか学校の方が持ってきてくださり、それでようやく体育館の四隅に温風機が据え付けられましたが、どう考えても体育館全体の温度を上げるには力不足で、相変わらず体育館は底冷えしたままでした。
しかし、私は多少の寒さは感じましたが、ぴっちりと上までファスナーを上げ、ダウンを着たままで体育館の床に横になれば、ダウンのふわふわ感が床の硬さを緩和してくれ、かなり保温性や緩衝材としても優秀なことがわかりました。
体を柔らかく包んでくれ、恐らくほかの洋服を着ていた人よりも私は寒さを感じていませんでした。また、ここまで寒くないまでも、ダウンはまるめると枕にもなりますし、体の上から掛けると上掛けの代わりにもなってくれます。
上記のダウンのように、ボアや柔らかい毛素材で裏地ができていればなお暖かさは倍増すると思います。もし避難しなければならない状況になったら、ダウンコートは持って行くとかなり使えるアイテムになります。
薄手のセーターでいいので、避難リュックに一枚入れておくと寒さの対策になりますよ。
ラジオ、懐中電灯、トイレットペーパー、タオル。これらは避難の時持っていこう
まず最新の状況はスマホなどで調べても分かると思いますが、こういう場合は携帯式ラジオが非常に役に立ちます。
地震や災害の状況が速やかに入ってきますし、人の声を聴いていると気がまぎれます。周囲に迷惑をかけないために、イヤホンもあれば良いです。
また、懐中電灯は停電しているときトイレなどに行くとき非常に役に立ちます。とにかく夜、真っ暗な歩いたこともない場所の廊下を歩くというのは非常に危険が伴います。持っていたほうが良いアイテムの一つです。
大人数が集まる場所ではありがちですが、必ずトイレットペーパーが足りないという状況になります。こんな状況にならないために、自分の使う分を幾つか自宅から持っていき、トイレ時に使うと困りません。
同じような理由で、タオルやハンドソープも何枚かあると便利です。手を洗う際、衛生を保つために持っておいたほうがよいと思います。
6日(木)未明に北海道で震度7の地震が発生した影響で、避難所へ避難する方も多いと思います。その際、トイレに行く回数を減らすために水分を取らない、歩かずにじっとしているなどが原因でエコノミークラス症候群が引き起こされる恐れがありますので、注意が必要です。https://t.co/PGiE1YJ7o0 pic.twitter.com/c6LT2Evgtj
— ウェザーニュース (@wni_jp) September 6, 2018
簡単に手に取れる食べ物を持参しておこう。周囲への配慮も忘れずに
自宅にクッキーやビスケットなどの保存のきく食べ物があったら、少し持っていくのもいいと思います。
3.11のようなシチュエーションはめったにおこらないと思いますが、震災が起きた日、岩手県沿岸部は完全に停電してしまっていました。
近所のローソンの方が、食べ物がそのまま置いておいてもだめになるだろうから、と避難所にパンを持ってきてくれました。
しかし、避難所にはものすごい数の人たちがおり、避難先の先生が率先して配ってくれましたが、正直全員に行きわたっていない感じがありました。しかも、家に帰れずにいる学生たちは後になっていたため、彼らの食べるパンすらなかったのです。
そこで先生が「子供たちの食べるパンを少しくださいませんか」と呼びかけて、みんなそれぞれ持ち分を戻しましたが、それでも多分足りてはいなかったと思います。
私は大人だから多少食べなくても支障がありません。一緒に避難してきた人の息子さんにパンを食べさせ、自分は少しだけ食べました。
避難所にクッキーなど簡単なものを持って行った場合、それを食べるにも非常な配慮が必要となってきます。
上記のような状態で、みんなろくに何も食べられてない状態の場合、そんなときに自分だけが食料を取り出して食べ始めたら周囲はどう思うでしょうか。望まないとはいえ集団生活です。周囲から浮くような行動はしないほうが良いと思います。
何のために持っていくのか、という感じではありますが、保存の効く食べ物を持っていくのは
これは被災当日のことで、きちんと食料や物資が避難所に配られ始めるには少しブランクが生じていたと思います。
↓帰宅してからはカロリーメイトばかり食べていました(保存が効くし、そこそこカロリーも高いから)
当然、スーパーもコンビニも営業を停止していました。そうなると頼りにできるのは自宅にあった食料品だけです。
こんな時はなんでもいいのです。チョコでもクッキーでもいいから、とにかく空腹を満たすものがあれば、一時しのぎにはなります。
オマケ目的で何本も買っていたが、甘そうなのでほとんど飲んでいなかった「紅茶花伝」のミルクティでさえもそうでした。
既婚者の方は夫などに「そんなにおやつとかばっかり買ってどうするんだ」と言われることもあるかと思うのですが「その時」とはこういう非常事態です。
おやつのために買ったせんべいでもクッキーでもポテトチップスでも構いません。とにかく家に「食べ物がありさえすれば」なんとかなるのです。
【避難所生活での注意点】
▼感染症を防ぐ
・布団を敷きっぱなしにしない
・こまめに手洗い、うがい
・水がなければエタノール剤やウェットティッシュを活用
▼エコノミークラス症候群防止
・定期的に体を動かす
・十分な水分をとる
・アルコールやコーヒーは避けるhttps://t.co/arkFo8DsX8— 地震・ニュース速報@Yahoo!ニュース (@YahooTopicsEdit) September 6, 2018