【リアル藪の中】宮川選手会見に塚原夫妻、対決姿勢【言った言わない】

まさに今回、体操界をめぐる「パワハラ問題」は芥川龍之介の「藪の中」の様相を呈してきた。

8月29日、暴力行為があったとして自らのコーチ「速見氏」が体操協会から一方的な登録抹消の上深刻な処分を受けたことを不服として一人記者会見を行った宮川選手の会見を皮切りに、それぞれの人間がそれぞれの立場からさまざまなコメントを表明し始める。

この事案はもはや「言った言わない」「こんなことは言ってない」という争いにシフトしつつある。

そこで、今記事では「藪の中」形式で時系列にそれぞれのコメントを紹介していく。

なお、後半には非常に長い宮川選手目線でのコメントがあるので、後半は宮川選手の立場に寄った記事になり、塚原ご夫妻のコメントもあればきちんと紹介していくのでこの点ご容赦いただきたい。

 

8月29日の宮川選手の記者会見のコメント

私は塚原本部長に2020(東京五輪特別強化選手)に申し込みをしないと今後協会としてあなたには協力できなくなるわよ」と言われました。

「これからも速見コーチと一緒にやっていきます」といったところ「家族でどうかしている。宗教みたいだ」と終始高圧的な態度で言われました。体操協会にはこれらのパワハラの事実を素直に認めていただきたいと私は切に願います」

(速見コーチの処分を)最初に聞いた時はいくらなんでも重すぎると思いました。

(注:速見コーチは現在体操協会によって無期限の登録抹消の上、ナショナルトレーニングセンターへの出入り禁止処分を受けている)速見コーチを排除して朝日生命に入れる目的なんだと確信に変わりました。

とにかく絶望的な気持ちになり、何がなんだか分かりませんでした。

私はまだ18年しか生きていませんが、人生で一番の勇気をだしてここに立っています。私の願いが届くことを祈っています」

 

会見を受けて、8月30日の塚原光男副会長のコメント

マスコミ「昨日の会見は見た?」

塚原「全部見てます」

マ「会見を受けて一言」

塚「なぜ彼女があんな嘘をいうのかちょっとわからないでのでね」

マ「嘘はどこが?」

塚「だから全部」

 

日本体操協会臨時理事会、8月30日第三者委員会の立ち上げ表明コメント

宮川選手の告発について日本体操協会の具志堅幸司副会長のコメント

「今回緊急対策会議において、迅速な調査結果をもとに対応することを決定しました。18歳の少女が嘘をつくとは思わない。どこまでが本当かウソかというのも言えない訳ですよ。だから第三者委員会にゆだねなければならない。」

質問:「副会長が嘘だと言ったことを協会はどう思う?」

「非常に残念な言葉です。いうべきでない言葉だったのではないか。この際何かありましたら、全部の膿をだして、新しく出発しないとオリンピックはありえないだろう、と」

質問:「早見コーチが東京五輪に参加する可能性はゼロではない?」

「ゼロじゃない。できるだけ速見コーチも登録して従来の形に戻ってもらいたいと私が一番思っていることなんです」

体操協会は速見コーチがコーチとして復帰できる可能性はあるとコメント。

 

ナショナルトレーニングセンター(朝日生命体操クラブ 塩山勝コーチ発言)

マスコミに、宮川選手以外の選手もインタビューを行うという情報があり、マスコミはそのインタビューが行われるというナショナルトレードセンターに取材に向かった。

「協会としては選手のインタビューとかありませんので申し訳ありません」

協会の意向によって、ほかの選手のインタビューは中止になり、塩山コーチはその旨をマスコミに伝えた。

 

日本体操協会 女子体操競技強化本部長奥主貞子氏

(上記のほかの選手のインタビュー中止についてのコメント)

「選手は話す意思があった?」

「はい、そうですね」

「誰が会見を止めた?」

「協会の意向ですね」

「なぜ会見を止めた?」

「選手もテレビを見ているのでいろいろな思いがある、それをみなさんにお伝えしたかった」

 

複数の体操指導者談

A氏談:体操クラブから主力の選手が引き抜かれると、クラブ経営は大きな打撃を受けることになる。しかも塚原千恵子氏が行う「引き抜き工作」は実に巧妙なのです。直接の勧誘は一切ない。塚原千恵子氏自身は選手に決して勧誘の言葉は掛けないのです。

B氏談:最終的には「入れてください」と言ってきたから入れてあげたのよ、というのが最大の理屈だと思うが、そういうきっかけを(千恵子氏が)作ったりはしていると思う

(ソース:報道プライムサンデー 電話取材より)

 

スポーツ文化評論家 玉木正之氏

あなたは自由にしたらいいのよ、と言いながらも、その言葉にはすごい力がある使い方があるじゃないですか。

「あなたのためを考えているのですよ」ということは十分パワーハラスメントになる言葉だということを指導者の人は分からないといけない。

 

元五輪メダリスト 池谷幸雄氏談

代表選手にも選ばれているトップアスリートがあの大きな会見に臨んだということは、嘘を付くというような勇気もないと思う。自分が言われたことをちゃんと正確に言おうと思って頑張って言ったんじゃないかと。

大体100倍教えられるとかいうことを、嘘でつけないですよね。これは言われたときに宮川選手のお母さんがメモを取っていて(それがソースで)こういう風な発言をしているので(宮川選手はうそをついてないと思う)

密室で体操協会の女子のトップのトップが二人いて、宮川選手が一人で話を聞くだけでも、相当なプレッシャーだと思うんですね。体育館でみんないる中で話をされるなら別だと思うんですが、呼ばれて(話が)二時間ずっと二対一で話をしたらしいんですよね。(そういう状況に)相当な苦しさがあったんじゃないかなと思う。

本音が言える相手ではないです。それぐらいすごい人たちです。たぶん(自分がその立場でも)黙っていると思います。

(その話の前に宮川選手が)録音とかそういうことは辞めてください、と言われているらしいです。言われているにも関わらず、相手側が録音しているというのはあれ?という感じですよね。

ソース:同上

(注:後日分かったが、塚原氏側が提出した録音データは問題の7月15日のものではなく、翌16日のものであった。つまり塚原側が提出したデータは「パワハラ発言はなかった」という証明には全くならない)

 

記者会見に対する塚原夫妻連名コメント(8月31日)

29日に行われた宮川選手の会見を受け、彼女にパワハラを働いたとする宮川夫妻から31日、連名の公式コメントが出た。

宮川選手も認めているとおり、速見コーチに暴力行為があったため「あのコーチはだめ」とは言いましたが、私が「100倍良く教えられる」とは言っておらず、このような発言をした事実はありません。

「これからも家族で速見コーチを信頼し、一緒にやっていきます」と発言したところ「家族で宗教みたいだ」と言われた発言に関しては

家族も暴力を認めているの?と確認したところ「家族もコーチの暴力を認めている」と言っていたため思わず例えとして「宗教みたい」とは言ってしまいました。この言葉については不適切だと大変反省しております。

成績が落ちてきたため「このままだとオリンピックに出られなくなるわよ」と伝えた。会話の録音があるので、聞いてもらえれば高圧的でないことは分かってもらえると思う。

朝日生命体操クラブへの加入を勧められたとご主張されておりますが、この点についても真実とは異なります。私たちは、宮川選手に関して、一切勧誘を行っておりません。

第三者委員会の結果等も踏まえ、各関係者と協議することも検討しております

(塚原千恵子女子強化部長のコメント)

これまで宮川選手が話してきた自らの発言内容について否定する姿勢だ。「対決姿勢」ではなく「協議」という言葉を使い「パワハラ」とされた発言に対して説明していく姿勢を見せている。

塚原夫妻によるパワハラの有無は今後第三者委員会で調査されることになる。

 

これまでの騒動を受け、渦中の速見コーチのフェイスブックのコメント

一方体操協会から無期限の登録抹消などの処分を受けた速見コーチは東京地裁にコーチとしての地位保全の申し立てを行っていたが、フェイスブックで申し立てを取り下げることを明らかにした。

処分を不服として争うことではなく、処分を全面的に受け入れ反省し、皆様に認めてもらったうえで一刻も早く正々堂々と宮川選手の指導復帰を果たすことが選手ファーストだという結論に至りました

2015年、速見コーチはテレビの取材に対し「紗江が目標としている夢を純粋に叶えてあげたい」と話していた。厳しく叱咤しつつ、夢を叶えるために二人は共に走ってきたのである。

 

これら全ての経緯を受けた8月31日「スッキリ」出演の宮川選手のコメント

「会見の補足というか、まだまだ伝えたい部分がたくさんあったので出させて頂きました。視聴者のかたやみなさまに、もっと真相を伝えていきたいと思うので出演させていただきました。」

 

質問:「全部嘘発言についてはどう思うか」

宮川:「そういうことを言ってくるというのは悲しいというか悔しい気持ちにはなりました」

質問:「あれは全部嘘という発言にしては想定していましたか?

「ある程度想定はしていたところで、絶対体操協会のほうは否定してくるだろうな、というのは思っていたので」まあでもまさか「全部嘘」ていううふうに言われるとは思ってなかったので、その部分に関しては「想定外」だったな」と思います。

「第三者委員会を作ることによってまた新たな真実が出てきてくれれば、それはすごくいいことだとおもうし、それはぜひやっていただきたいです。」

質問:「宮川選手以外に、同じような思いをしている選手はどれぐらい?」

「現役の選手から、引退している選手までだいぶ多くの人たちが思ってるとは思います」

 

質問:「速見監督の暴力について」

「手で叩かれたり髪の毛を引っ張られたりは認める。馬乗り、殴打は一度もない」

「暴力行為などはいずれも一年以上前」「仕方ないと理解していた」

 

下記に体操協会による速見コーチのの暴力行為のリストを載せた。これに対し「スッキリ」のスタジオでは宮川選手に下記の表に「自身が思うコーチからの叱咤」のしるしを付けてもらった。

13年9月 国際ジュニア合宿で顔をたたく
15年2月  海外合宿で大声でどなる
16年1月 海外試合で顔をたたく、練習で怒鳴る
  3月 国際大会中Tシャツをつかみ引きずりおろす
  5月 前所属先でたたく、怒鳴る
  7月 海外合宿中1時間以上たたせる
去年1月 前所属先で暴力
  8月 NTCで髪を引っ張り出入り口まで引きずり出す
  9月 NTCで髪を引っ張り倒す
今年4月 NTCで指導中怒鳴る

 

わかりやすくするため、宮川選手が「思い当たる」とチェックを入れた項目だけを赤字にした。協会が挙げた11~10項目中、実に宮川選手がチェックしたのは二項目。いずれも「怒鳴る」「たたく」というものであり、髪を掴んで引きずり回すなどといった行為はなかったと断言している。

危険なことがあったり、身が入っていないときに怒鳴られたりとか(怒鳴るというか、注意。大きな声で怒られたりだとかそういうことはあったので、そこは否定できないんですけど。頭を叩かれたので)

質問:「コーチがほかのコートよりよく怒るな、どなるな、という風には思いましたか?」

「注意するときにすごく熱くなって注意するのは、小さいころからそうなのかな、と思っていたし、初めて見る選手には厳しいコーチだな、と思われていることは間違いないと思います」

「愛情があって、暴力といわれるとは思っていなかった、という自身の発言に対して」

「そのときがやっぱり自分が悪かったとは思うし、パワハラだとかそういう風にはおもっていなかったんですけど、テレビで事件が放送されて、いろんな方の意見を聞いて、やっぱり暴力というのはいまのスポーツ界ではだめなことだし、そこに関してはしっかり反省してもらって、処分も受けてもらって、一からやりなおしたいと思っているので。暴力をすべて否定するのではなくて、それは全て認めて、これからはないように、許さないようにしたいと思っています」

 

質問:「パワハラ」と感じた塚原夫妻とのやりとりの前後の経緯について

7月15日の合宿初日の日、付き人の方から千恵子先生からお話があるから、と呼ばれて副会長と本部長が待つ部屋に呼び出されて、言われた。

副会長から暴力行為があったと聞いているがどうなのかと聞かれて、膝が汚かったとき、すこしばしりとやられたぐらいで、そういう暴力といわれるまでの行為はなかったと思います」と言いました。

「それはあなたがパワハラだと思ってないのは異常だ」と言われ、そのあと何度も「あったでしょ、あったでしょ?」と誘導尋問のように言われて。

「私はどんな人がそれを言っても先生を信頼しているので、その時はないと答えます、と言いました。

「暴力の事実を認めないとあなたが厳しい状態になる。私たちはあなたの味方よ。という風に言われました。」

「その言い方でオリンピックに出られなくなる、という風に感じたのか、その言葉を直接言われたのか?」

「本部長(千恵子夫人)に言われました」

「どういうタイミングでそれを言われましたか?」

「暴力の事実を認めないとあなたが厳しい状態になる。オリンピックにも出られなくなるわよ、という感じだったと思います」

「これを言われたときどう思ったか?」

「オリンピックに出るというのは夢だし目標なので、それを言われたときは頭が真っ白になったし、なにも考えられないような状態になったし、このままどうなってしまうんだろう、とすぐに思いました。

 

質問:これらの一連の(パワハラ発言のまえに)なにかおかしいと思ったりしたことは?

ナショナル選手になって(トップ上位12人に入る選手)から本部長の権力というかそういうのが大きくあるんだな、というのはそのときから感じてることでしたし、本部長の周りについてる人たちは「本部長のいうことは絶対」で逆らえないような状態なんだな、というのは感じていました。

14歳の時(中三のときから)おかしいと思っていた。

 

質問:女子体操界にどうなってほしいという具体的なものはありますか?

新体制になるというのが一番手っ取り早いというか、今後強化するうえで必要なことなんじゃないかな、と思います。

東京2020に関しては不明な点がいくつもあって、そこに関しては順位関係なく、不平等な問題になっているので、そこは改善したほうがいいと思います。

(2020は東京オリンピックのためにリオの後にできた。ナショナル選手とは別のもので、そこにはナショナル選手も何人かはいるが、全日本選手権で予選を通過しない選手であったり、何十番何百番という順位の選手が優先的に2020に属してる選手が優先的に海外派遣をされたり、予選を通過していないのに推薦枠で全日本選手権に入れたりだとかそういうことがあるので、私は属していなかったので、海外派遣も順番をとばされて、二年連続で行かせてもらえなかったですし、そこに関してはなんでかな、と思っています。

「作ったのは塚原本部長ということでいい?」

そう。

何度か言われたし、家に直接電話がかかってきたりしたし、コーチに何度も電話したけど埒があかなかったから、家に直接電話を掛けてきた。そのときに2020に入らないと今後あなたには協力できなくなるといわれて、そのときに2020に入るといいこともあるのよ。海外派遣も優先的に参加できるし、NTCも優先的に使わせてあげるわよと言われて、なんで代表選手なら海外派遣とか、NTCの利用制限もないのがふつうだと思いました。

ナショナル選手に入っているんだったら、そういう優遇措置は受けなくていいと思っていたので、その詳細についてはあまり伝えられなかったので、その時は参加しないという風に決めていた。

質問:なぜ2020には入らなかったのか?
2020に入ると制限がかかるというか、今までコーチとやってきた練習と思うように進まなかったりだとか(そちらにナショナル合宿とか代表合宿でも縛りがあったりだとか)2020の選任コーチがいるから、速見コーチは入れないとのちにいわれました。

(こういう強化をする、という説明)内容が詳細に伝えられていなかったので、多くのナショナル選手が辞退していた。義務ではないし、任意だったので多くの選手がそのときは入りませんでした。

塚原本部長と速見コーチがあわないな、とか意見が割れてるな、という空気はありましたか?
すごいありました。

どういう?

強化のしかただったり、直接二人で話してる時もあったし、内容は詳しく聞いていないのでわからないが、何度か対立してきたのを知っていた。いうことを聞く人聞かない人には差別というか、聞く人にはすごくいいことをして、聞かない人には意地悪をするっていうのが話を聞くと昔からあったみたいなので、コーチの考えを伝えたら「いうことをきかない」と思われてしまったこともあると思う。

(宮川選手はリオの前のグラスゴーのあたりから二人が対立しているというのは感じていた)

昨日の(塚原氏の宮川選手の発言が)全部うそ、というところからどんどんいうことが変わってきてるので、そこに関してはきちんと述べてほしいなと思います。

今は思うように練習できてない状態があります。速見コーチとはほぼ毎日連絡を取り合っています。

 

塚原光男会長、疑惑に反論する(9月7日バイキングのインタビュー)

質問:2020東京五輪特別強化への参加を断った時の宮川選手の状況を教えてください

2020に最初はちゃんと速見コーチとか指導者たちには全部説明をして、こういう形で今の日本はメダルを獲るためにはもう一つステップアップするためにスペシャルな指導を導入しなければならない、という説明をしました。

(2020の強化合宿に)入って練習すれば、そういうことがいい形でサービスを提供できる、ということを言ったのです。そのことに、なぜか宮川選手はNOと速見コーチを連れて言ってきた。

強化本部長としては、親御さん、また本人にも「どうしてなの?」って聞いたらしいですね。どうもその時に「勧誘されたんじゃないか」と勘違いされてしまったのかと。

だから何らかの先入観があるのかも分からないけども「また朝日生命に勧誘された」と。速見コーチは最初に(2020に参加するメリットを)全部説明しているのに、勝手に親に連絡をして「強化本部長は朝日生命にまた宮川選手を勧誘しているんじゃないかな」と説明した、というのが我々の想像です。

彼らが本当にそうかどうかは分からないけども、たぶんそういうこと(朝日生命に勧誘された、という解釈)をして、宮川選手側はそれを「勧誘」と言っているんだと思う、会見を見ると。

(9月7日「バイキング」 塚原光男会長インタビュー より)

最後に

多少の差異はあれど、宮川選手のコメントを再現して書き起こしてみたが、どういう印象を持たれただろうか。

今記事は「宮川選手の目から見た今回の騒動」である。宮川選手側ばかりの話だと不公平なので、最後に、9月7日の塚原光男会長のコメントを一部紹介したが、やはり両者間で「食い違い」が生じているようにも思え、この両者間をうまく「取り持つ」存在がきちんといればこのようなことにはならなかったのかな、とも思えてくる。

今後出される第三者委員会の結論を待ちながら、体操界のトラブルが一日でも早く解消するよう祈りたい。

 

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