【新手のテロか】新宿駅ホーム缶破裂事件【ただのマヌケか】

2018年8月26日、新宿駅14番ホームでラベルの貼られていない不審な缶が破裂し、女性が足と顔にやけどのようなケガを負う事件が起きた。

オウム事件を知る世代には「電車」「ホーム」という時点で地下鉄サリン事件を連想してしまう。さらに、ツイートを調べているとこのようなものも見つけた。

駅ではもはや日常光景のように「駅で不審なものを見つけたら絶対に近づかず、駅員にお知らせください」というアナウンスが流れている。

こうした不穏な事件があった以上、このアナウンスをはいはいそんなことあるわけないでしょ、と聞き流さず

不審なものを見つけたらすぐその場を離れ、駅員に知らせるように気を付けよう

この記事では「新宿駅ホーム 缶破裂事件」現時点で分かることを調べていきたい。

 

新宿駅ホーム缶破裂事件概要

缶は14番ホーム付近にあった。500ミリリットルのボトル形でラベルはなく、ふたは缶本体の近くに落ちていた。缶の中に残っていた無色透明の液体を簡易鑑定したところ、アルカリ性の反応を示した。放射性物質や可燃性ガスなどの危険物ではなかったことも確認された
引用元:朝日新聞デジタル「新宿駅の缶噴出、液体はアルカリ性 洗剤成分と同一か」より

 

缶があったのは新宿駅14番ホーム。山手線内回り〈渋谷・品川方面〉に向かうホームだ。隣の13番ホームは中央線・総武線〈御茶ノ水・千葉方面〉乗り場だ。下図に分かりやすくするために構内図を紹介する。

黄色くマーキングしているのが事件の起きたホーム。赤矢印がこのホームに最も近い「西口」からの進路だ。

画像引用元:JR東日本 新宿駅構内図より

首都圏以外在住の人間には分かり辛いが、新宿駅はややこしい構造で有名で「ラビリンス」と呼ばれてもいるらしい。

非常に乗り降りの多い駅であるため、犯人がこの駅で降りた人物かそれとも電車に乗った人物かは分かり辛いが、近年の保安強化の体制からも、駅構内、ホーム中ありとあらゆるところにカメラが据え付けられているだろう。

「缶を置く」というリアクションをした人物は早晩割り出されるだろう。

 

数年前に起きていた類似事件

今回の事件について検索していると、いくつか過去(2012年)に起きた類似事件を記憶している人たちの話を見つけた。
そう過去の話ではないために記憶に新しかったのだろう。下記に類似事件の内容を紹介した記事を紹介する。

20日午前0時15分頃、東京都文京区本郷の東京メトロ丸ノ内線本郷三丁目駅のホームに停車中の電車内で、都内に住む20歳代の飲食店アルバイト女性が持っていた業務用アルカリ性洗剤の入ったアルミ缶が突然、破裂した。

警視庁や東京消防庁によると、缶を持っていた女性を含む乗客の20~40歳代の男女16人が手や顔にやけどのような症状を訴え、うち9人が病院に搬送されたが、いずれも軽傷だという。

警視庁などによると、女性は「自分が飲み干したコーヒーの缶に、勤務先の店長からもらった強力な洗剤を入れていた」などと説明。洗剤は、蓋付きの アルミ缶(390ミリ・リットル)に蓋を閉めた状態で入れていた。同庁は、洗剤とアルミ缶が化学反応を起こして水素が発生し、破裂した可能性が高いとみて 調べている。

引用元:ケムステ「洗剤を入れたアルミ缶が電車内で破裂」より引用

この事件は2012年10月20日に起きている。事件の起きた場所、状況などは異なれど

 

アルミ缶の破裂
液体が付いた人が火傷のような症状を訴える

という点が非常に酷似しており、この2012年の事件ではアルカリ洗剤をアルミ缶に入れたことによる化学反応で爆発が起きたことから「洗剤類の容器移し替え」による爆発が起きたのである。

ここでもう一度今回新宿駅で起きた「アルミ缶爆発事件」の今分かっている状況を紹介する。

簡易鑑定の結果、液体はアルカリ性だったことが警視庁への取材でわかった。洗剤などに含まれるものと同一の可能性があるといい、同庁はさらに詳しく鑑定して成分の特定を進める。

 引用元:朝日新聞デジタル「新宿駅の缶噴出、液体はアルカリ性 洗剤成分と同一か」より

2012年の事件と同じく、アルミ缶の中に入っていたものは「アルカリ性洗剤」である可能性が非常に高いことが分かっている。ではなぜアルミ缶に洗剤を入れると爆発するのか。

身近に潜む「アルミ缶爆発」の恐怖

 

下記は2012年のアルミ缶破裂事件に対する東京消防庁のサイトから紹介した引用文だ。

この事故は、勤務先で使用していた業務用洗剤(アルカリ性)をコーヒー缶(アルミニウム製)に移し蓋をして持ち帰る途中で、洗剤の成分とアルミニウムが化学反応を起こし、発生した水素ガスが密封された缶の中に溜まり、缶の内圧が高まり破裂したものです。

引用元:東京消防庁 専用容器以外の移し替えは危険~洗剤の事故~ より

2012年の事故は、鉄板の汚れを落とすために職場でもらった強力な洗剤をアルミ缶に軽い気持ちで入れたことがこの惨事を招いた。洗剤は化学薬品という認識が薄く、またアルミ缶も金属のため、腐食や化学物質が発生する、という認識がなかった結果だ。

 

ほかにもこの消防庁のページには飲み残しのジュースの缶に洗剤が入り、気が付かずにそのまま蓋を閉め屋外に捨てたためにその容器が爆発した事例、ドライアイスをペットボトルに入れたことによる破裂の事例などが紹介されている。

アルミ缶やペットボトルを簡易な一時的持ち帰りの容器として使う危機感のなさ

 

こう書きつつも私自身もこうした「アルミ缶破裂のしくみ」を今回きちんと認識したくちだが、2012年を含むこれらの「破裂事件」を引き起こしたのはほとんどが女性だ。

 

洗剤というものの性質上、掃除や食器洗浄などで一番身近にそれを扱うのは女性たちだ。しかし女性は化学に疎い人が多く、洗剤を「汚れを落とすもの」としてしか認識してないことが多い。
以前トイレの掃除に使う酸素系洗剤と塩素系洗剤を混ぜたことにより塩素系ガスが発生し、女性が死亡した事例があったため、洗剤は「混ぜないでください」「換気をしながら掃除をしてください」という表記が大きくなされるようになった。
しかし今回のような事例を見ると、どうやら「洗剤をほかの容器に移し替えないでください」という表記も大きくしなければならなくなりそうだ。

 

非常に分かりやすいのが下記の東京消防庁のページにある実験結果の画像だ。時間を追うにしたがい、アルミ缶が溶けていく様子が紹介されている。
どうやら今回起きた事件は
アルミ缶にアルカリ性洗剤を入れると水素ガスが内部に発生し、破裂を起こす
ことを知らなかった人間が、ごく軽い気持ちから洗剤をアルミ缶に入れたが、何らかの変化を缶に感じ、恐ろしくなって駅のホームに放置した事件のように思えてならない。

 

こうした「缶破裂」で被害に合っているのはいずれもそうした無知な本人ではなく、たまたまそこを通りかかった人や、周囲にいた全く関係のない他人であることが多い。

 

今回の事件も本人以外の人間が知らずに被害にあったことから、意図的ではないにせよ「テロ」と解釈されてもおかしくはない。

 

 

いくら知らなかったと主張しようと、他人を傷つけた場合賠償や逮捕は間違いない。
無知で人生を台無しにしないよう、洗剤は気軽にいろいろなものに入れてはいけない、ということを強く肝に銘じておくべきである。

 

この事件は「化学に無知な人間の仕業」ではなく「意図的なテロ行為」である可能性もはっきりと分かっていない。電車や駅で不審なものを見かけた場合、絶対に近寄らないようにすることが肝要だ。

 


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