【札幌タコ投げつけ事件④】ここで初めて「犯人の人物像」を絞ってみる【まるで鉄道サスペンス】


この「札幌タコ投げつけ事件」思ったより空想が広がる事件である。分かっている情報はそう多くはないが

記事①では事件概要と犯人の交通手段

記事②では犯人の行動を地図上でシュミレート

記事③では犯人が投げつけたタコの正体(種類について)

上記の三項を考えて来ている。あくまでも個人の想像にすぎないが、今回はよりリアルな犯人像に迫ってみようと思う。

 

終電帰りのサラリーマンか、はたまた釣り人か!?

タコの話にちょっと脱線したきらいのある前項目の話題であるが、案外重要でもある。

なぜなら「タコがゆでダコ」ではなくて「生のタコだった」という情報と、タコがどんなタコで、本当に一時間もの時間投げるに適した重さなのかどうか知ることが非常に重要にこの事件に関わってくるからだ。

タコの種類を導き出すことで犯人がどこでタコを手に入れたのか、という想像もしやすくなったと思う。そうなると段々「生のタコ」を持ち歩ける人物が限定されていく。

つまり「終電帰りのサラリーマン」か「夜釣り帰りの釣り人」説だ。これまで書いてきた記事では犯人像は「サラリーマン」でしかも酔っ払い気味な人物だと解釈できると思うのだが、この記事では敢えて新たな犯人像「釣り人説」を考察してみたい。

①「犯人はサラリーマン説」どうやってタコを入手したのか

ではなぜ「釣り人説」が出たかといえば、サラリーマンが終電周辺にたこを手に入れるための条件が非常に厳しいからだ。

深夜12時前後に営業しており、切り身ではなくて一匹でタコを扱う魚屋

が周辺になければならない。事件の起きた7月26日~7月27日にかけて札幌の昼間の最高気温は30.4℃。最低気温は26.3℃である(市民によると、事件当時の気温は22度程度だったという)

とても生のタコを持ち歩けるような気温ではないし、しかも天気は快晴だ。室内で冷蔵庫に保存でもしておかなければ日中生のタコなど持ち歩けるものではない。

そうした点を考えたとき、もし犯人が会社員で、終電直前に店でタコを買ったというのならかろうじて理屈が合うのだ。

↓下図は札幌市周辺の「24時間営業のスーパー」をマッピングした地図だ(エリアが大きく表示されているのはご容赦ください)

記事を見てくれる人の手を煩わせるのも心苦しいので簡単に言うと、札幌中心地、特に地下鉄南北線周辺の駅「札幌駅」「すすきの駅」周辺にこれらのスーパーは位置していない(手間じゃなかったら拡大して確認してみてくださいね)

24時間営業の店があったとしても、マックスバリュ(イオン系)かディナーベル(CGCグループ系)の小規模スーパーだ。小規模のスーパーという感じの店舗形態で、とても生のタコをまるごと一匹売っているような業態ではない。

唯一、こうした一尾ものが中心部で入手できるとすれば「札幌丸井」内のスーパーか、「三越札幌店」の鮮魚コーナーぐらいだろう。(注:魚の北辰札幌丸井店 の案内ページで、店内をストリートビューで見られるようになっていた。鮮魚コーナーを見てみたところ置いてあったのはヤナギダコであった(下の写真のような感じ)

記事③でも紹介したように通常ヤナギダコは「ゆで」で出回る。生のタコではない。

よって、犯人が勤め人説は、犯人が26日夜に札幌市中心地周辺のどこで生のタコを購入したか、という「入手経路」が今のところ明確ではないのだ。

 

②次に浮上した「釣り人説」を検証する

これらの不自然な点、たこの入手の難しさを一気にクリアするのが釣り人説だ。要は、釣り人ならば自ら海で釣って来ればタコは手に入る。 というより一番入手しやすい立場にあると言える。

ところがここでまた問題が発生する。北海道ではタコ、ウニ、アワビ、貝、海藻類は漁業権を持ってない人間は漁猟することができないのだ。

つまり、漁業権を持ってない人間が北海道の港でタコを釣り、持ち帰った場合「密猟」という扱いになり、漁業権の侵害として20万円以下の罰金に処せられる。

水産庁HP 漁業法

つまり北海道で「生のタコを一匹手に入れ持ち歩いている」というのは人から貰ったか、購入したか、こっそり自分で釣ったかの三択になり、実はかなり難しいことだということが分かってもらえるかと思う。

 

次に北海道の釣りスポットを調べてみる

大まかに言って札幌周辺の釣りスポットは三つ。

西区の琴似発寒川

小樽港

石狩新港

この三か所だ。発寒川は川なので当然タコは釣れない。そうなると、消去法で小樽港石狩新港が残ることになる。

この二つは札幌市と近い釣りが可能な場所である。

↓石狩新港から札幌駅の距離感の目安

↓小樽港から札幌駅の距離感の目安(車で4~50分)

この場合、石狩新港は車移動の人以外は厳しいだろう。近くに交通機関がないので帰宅には不便だ。電車のアクセスが優れた「小樽港」からタコを釣って帰ってきたと考えるのが一番自然だ。

 

小樽から来た男、タコを携え帰宅する!?

単独の釣り人のケース(この場合は黙ってタコを釣ったという話になるが)ともう一つ考えられるのが、夜の釣り船に乗ってタコを釣ったというパターンだ。

ならばなぜタコを壁に投げつけたりしたのか。どちらのパターンでもタコが気に入らないならその場で海にリリースすれば良い話である。

何も他人のマンションの壁面に叩き付けてバラバラにまき散らす意味など全くないのだ。

 

前提条件:犯人の移動手段は車ではない(投げつけに不便だから)

ひとまずこの「タコ叩き付け犯」が小樽港でタコを釣り上げ、現場周辺、つまり「札幌市中央区南9条西13丁目」周辺に移動するまでに所要する時間を考える。

まず小樽港を調べているうちに分かったのが立ち入り禁止地域の多さだ。保安事情を考えてか、飛び出した部分の先端のほとんどが立ち入り禁止区域になっている。

つまり、車で移動していない人間にとって釣り場の最寄り駅は立ち入り禁止区域が多い「小樽駅」ではない

また、その一つ手前の駅「南小樽駅」も、駅から堤防への距離が遠い。近くの「中央ふ頭」は立ち入り禁止区域のため、釣りの出来る「築港」まで徒歩で移動すると1.6キロ。14分掛かることになる。(下図)

 

↓下図 電車で小樽に通う釣り人にとって一番手軽な駅が「小樽築港駅」絶好の釣りポイント「築港臨海公園」まで駅から6分。こちらで犯人がタコを釣ったという仮定で話をすすめる(余談:ドコモCM高畑充希の「紅」編のロケ地)

 

函館本線の終電時刻(小樽築港駅)は23:16分。札幌到着は40分後の23:56分。

そのままJR札幌駅から地下鉄南北線札幌駅のホームに到着するまでは0:06分。

最終の0:09分真駒内方面にギリギリすべりこみで乗り込む。五分後の0:14分に中島公園駅に到着。

そこから先の行動については記事②で紹介したから省略するが、40分後に現場に到着する計算は成り立つ(小樽から現場到着までの全所要時間一時間三十分

JRにも地下鉄にもきちんと終電に間に合えば、当初の記事で想定した「0:40分前後に現場に犯人がいる」という理論は成立してしまう。

驚くべきことに今回検証したように「小樽で終電まで夜釣りをして数字上は札幌駅の終電にギリギリで間に合う」ということを知ることができたのは大きな収穫だった。

もちろん、犯人が往復で80分電車に乗り、釣りも楽しみ、さらにはギリギリ時間の終電に間に合わせたうえに駅から30分近く歩き、一時間の間マンションに採ってきたばかりのタコを投げつける、という非常に現実の人間がこなすには体力的に難しそうな思考実験ではあったが。

今回はまるで鉄道サスペンスのようにいろいろと考えたが

この記事の追記として書いた

【札幌タコ投げつけ事件⑤】三つめの新たな犯人像 でもう一つ浮上した犯人像について書いています。次回はもう少し簡潔に動機などを考えていきたい。


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