悪臭で飛行機を降ろされた男性が罹患した「ニパウィルス」とは何なのか


前回の記事でロシアのギタリストアンドレイ・スチリン氏が侵された「ニパウィルス」について取り上げた。

この病は発生当初は致死率32%の十分に深刻な感染症であったが、現在は致死率が60~74%とさらに深刻化しており、ワクチンも対策も発見できていないなど非常に恐ろしい病気である(そのあたりのところは前回の記事にまとめた)

前記事を書く過程で関連記事を探すも「彼の感染経路は一体なにからだったのか」「周囲の人は感染しなかったのか」「これだけのニュースに対し、航空会社や検疫所が何かコメントを出したか否か」この辺りに対しての確かなソースが見当たらなかったため、分からない事が多く不安な気持ちになってしまった。

記事を書いていく過程で、公的なもの、検疫機関のサイトなどに目を通し、まとめられる点をこの記事に書いていこうと思う。

(注:ニパウィルスは未だ不明な点が多く、医学的なサイトでも意見が割れている事柄もあった。素人解釈でまとめた記事であることを了承頂きお読み頂けると幸いである)

なお、興味のある方はソース元も参照して頂きたいと思う。

 

対岸の火事ではなかった。発生地域はアジアに集中している

まず下記の地図をご覧いただきたい。前回の記事でも触れた、実際にニパウィルスの感染者を出した地域をマップに赤点で記してみた。

マレーシア

バングラデシュ

中国

オーストラリア

インド

 

 

 

マレーシア、中国、バングラデシュ、オーストラリアは前回の記事にも書いたように、ニパウィルスが最近発生した地域ではないが、発生している地域がアジア中心であることを明示化するため、地図上に記した

現在インドケララ州ジコーデ地区では2018年5月20日に「ニパウィルス」による感染症が発生しており、海外からの当地への渡航者に対し、厚生労働省検疫所「FORTH」より渡航者向けの注意勧告が発令されている。

発生各国における感染経路について

マレーシア→コウモリからブタに感染。尿や唾液等の飛沫を介して人に感染

バングラデシュ→ウイルス保有コウモリによって汚染された果実類による感染

オーストラリア→コウモリから競走馬に感染。人への感染は呼吸器感染と尿を介した神経感染

中国→?

インド→井戸水のコウモリの死骸を通じて三名に感染。他感染者の経路は不明。

 

 

「ニパウィルス」に感染しないために海外旅行者が自衛できること

  • 感染したコウモリの尿や唾液で汚染された可能性のある果物や加工製品(ナツメヤシの生のジュースなど)を飲食しないようにしましょう。果物を食べる際は、コウモリがかじったあとがないか、傷がないか、痛んでいないかよく確認の上、きれいに洗ってから食べる直前に皮をむくなどしましょう。 
  • むやみに動物(特にコウモリや豚など)に近寄ったり、触ったりしないようにしましょう。  
  • 引用元:厚生労働省FORTH「バングラデシュでニパウィルスが発生しています」

前項の感染経路についての話でも出てきたが、とにかくニパウィルスを保菌する自然保菌動物として挙げられるのはコウモリである。

バングラディシュとインドでの患者発生は、感染したコウモリの尿や唾液で汚染された果物や果実製品が感染源として考えられている。

 

オオコウモリは未知の感染症を招くかもしれない

 

またオオコウモリ科に属する「フルーツコウモリ」は、通常私たちが認識している昆虫を餌にする「小コウモリ」とは異なり、その名の通り果実や花蜜などを主食としており、えさを取る際に齧った果実や蜜を通じて人やブタへの感染を招く。

じつはこのフルーツコウモリ、虫や昆虫ではなくフルーツを食するという点から、日本ではペットとして輸入されているケースもあるらしい。

「ニパウィルス」がアジア一部の地域で起きているというのは実は楽観的観測にすぎず、私たちの知らぬ間にこうした経路で日本にもオオコウモリが入ってきているのだ。(日本の一部地域には生息していることが確認されているが)

日本の取るべき対策としてはまずオオコウモリの輸入を禁止することであろ う。ペットとして扱うには余りにも危険な動物であることを認識する必要がある。次に日本南部におけるオオコウモリの分布状態を調査しておく必要がある。

引用元:ニパウィルス感染症について  小澤義博氏論文より

 

オオコウモリ生息域と重篤な感染症の発生の関連性について

こちらはWHOの発表した「エボラ出血熱発生の地理的分布とオオコウモリ科フルーツコウモリの生息域」図である。(出典元:WHO Ebola haemorrhagic fever Map

紫の点線部分がオオコウモリ科フルーツコウモリの生息域である。この地図はエボラ出血熱との関連性を示した図だ。

この図の生息域を、先ほど載せたニパウィルスの発生地域の地図に重ねてみる。

 

ニパウィルスがフルーツコウモリの生息域内で起きていることが確認できると思う。

オオコウモリはニパウイルスだけでなく未知のウイ ルスの自然宿主となっている可能性が高い。

日本にも一部地域にこのコウモリは生息しているが、なるべくこれらのコウモリと家畜の接触を減らすことが予防策に繋がる。

 

まとめ 注意できること一覧

 

 

 

 


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