インスタ映えとか付いてけねえ~最強伝説黒沢スピンアウト「最強伝説仲根」


みなさんインスタグラムやってますか。今や「インスタ」という言葉はすっかりメジャーになり、観光地でもインスタのフレーム様の看板までできるしまつ。

なんでも「インスタインスタ」ってパシャパシャ写真を撮りたがる風潮に辟易気味なのは私が旧世代だからなんですかね。第一他人のキラキラライフなんか見たくもないじゃないですか(言い切った)

第一、みんなタダでさえ日々の生活で精いっぱいなのに、他人の自慢を眺めて褒めやそすギャラリーになんかされたくないでしょ。だって疲れるじゃないですか。

もう「私私私、私かわいいでしょ、キラキラしてるでしょ?だからいいねつけてすごいでしょすごいでしょ」って他人の自己顕示欲になんか付き合わされるだけで消耗しますよ。

本当にキラキラしてる人はネットで見ず知らずの他人になんかアピールしてる暇なんかないっつうの。写真とか動画とかあげてる時点で100パー暇人間なんです。

そんなことしてるまに、同じくキラキラ彼氏だか友達だか知らないけど、ナイトプールでもダーツバーでも行って遊んでればいいじゃない。

お前のライフスタイルなんか私が知るか!という黒い心を吐いている私のようなインスタバエ嫌いのあなたにぴったりの漫画をこの間読んだので紹介します。

 

あの頃の俺は無敵だった。何にでもなれると思ってた。そんな青春の果ての話

 

最強伝説 仲根 1 (1) (ビッグコミックス)

最強伝説 仲根 1 (1) (ビッグコミックス)

 

福本伸行「最強伝説黒沢」を読んでいた方ならご存じ中学生の半グレ「仲根」のスピンアウトです。

中学生にしてタイマンバトルで中年男黒沢をさんざん翻弄し、悩ませた男仲根。

人望あり

体格よし

スポーツ万能

成績優秀

カリスマ性ゆえに女からモテモテ

 

スペックとポテンシャルの高さで圧倒的なオーラを放つ仲根は、常に人に囲まれていました。

末は大使か大臣かという言葉が決して大げさではない天才でした。そんな仲根は蓋を開けてみると一介の銀行員になっていました。いや、銀行員だって十分エリートなんですが。

スペックの高さを生かし、期待の新人ポジションも得、それなりに出世が約束されている立場で働いている。ところが

取引先の追加融資を圧倒的弁舌で決めた仲根に対し上司の足立がクダを巻きます。

「あの客に対してオレは慎重に話を進めてたんだ・・・!落とすベストなタイミングを見計らってたんだよっ・・・!お前の判断で勝手に切り出すんじゃねえよっ・・・!」

 

んなこといいつつ、どうせこの後自分の手柄で上手くいきました・・・みたいな報告するんだろ・・・部下の手柄は自分のものっ・・・上司の失敗は部下の責任ってか・・・!?典型的・・・絵に描いたような下らない上司・・・

最強伝説 仲根 1 (1) (ビッグコミックス)より引用

と仲根はサラリーマンあるあるな毒を内心吐きながら「それは・・・大変失礼しました・・・」などと頭を下げてみせるのです。

あの仲根が!

正直中学生の仲根だったら無言でボコボコにしてますよね

 

食べ物すらも自己顕示に使う。それがいわゆる「インスタバエ」

そんな悲しい正しい大人になった仲根ですが、後輩と飲みニケーションを取ろうと彼の言うがまま「話題のパンケーキ屋」に誘われます。

そこで注文した「メチャKAWAパンケーキ」に早速手を付けるでもなく、パシャパシャと写真を撮り始める後輩孝志。すると彼は驚愕のセリフを吐きます。

「仲根さん・・・よかったらこのケーキ食べませんか・・・?」
自分が頼んだんだから責任持って食べろよ、と返した仲根に対しさらに孝志は驚愕の言葉を言い放ちます。
いや・・・僕甘いもの苦手なんで・・・
インスタジェニックな写真を撮りたかっただけなんで・・・
このスイーツは処分してもらっていいんですよ・・・

まさにインスタバエそのものの理屈で孝志が畳みかけます。

いいじゃないですか、と。誰が困ってる訳でもないんだし、インスタで少しでも目立つためにはこれぐらいしないと、と。お店もそれを織り込みずみでしょ、と。

まさにインスタバエここに極まれり。世紀末。異次元の住人。そういう言葉が浮かびます。もうココまできちゃったら言葉が通じる気もせず、言葉を失う仲根。

 

非インスタ世代の一言「下らねえ」でバッサリ。正直SNSって全部それだわ

 

先ほど触れた仲根の上司足立。そんな彼がインスタだのいいねだの浮かれ、インスタを勧めてきた孝志に吐いた一言が振るっています。

「やだよ・・・みっともねえ」

 

「こういうの・・・なんてったっけな~、ああそうそう。承認欲求?自己顕示欲とも言えるな。バカみてえにはしゃぎやがってよ・・・タレントきどりかっていうの。あのいいね!つったか?あれが沢山付いたら・・・何者でもない自分が少しは浮かばれるとでも言うのかね・・・」

最強伝説 仲根 1 (1) (ビッグコミックス)より引用

 

結局のところ、SNSっていうのは全部これ。

LINEもツイッターもインスタも全部どうでもいい他人の日常の集積

本当にこのセリフは現代の「どうでもいいこと」に振り回されがちな現代人の滑稽さをよく言い表した言葉だと思います。

また、この「最強伝説仲根」は一巻のラストシーンで「輝いていた過去の自分」と「輝きも、栄光も簡単になど見いだせないいまの自分」と和解するシーンがあり、このシーンはある程度大人になるために「諦めて」きた大人ならば何かを感じるシーンだと思いました。

アマゾンでは辛い評価もあるスピンオフですが、私はこのシーンだけでもこの「最強伝説仲根」を読んだ価値があると思いましたね。

「トネガワ」や「ハンチョウ」の路線とは違いますが非常におもしろく読めた漫画でした。昨今のSNS重視の風潮が嫌いな人にもおすすめです。

 

「最強伝説黒沢」の仲根登場巻。この漫画には中年になったら刺さりまくるセリフが沢山あります。もうこの時点で福本漫画に流れるテーマ「群れたくない」「ツルまない」「独立せよ」が出来上がっています。

          ☝こちらで75ページまで試し読みできます

 

 


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