ラストシーンは電気椅子!?ロスト・ハイウェイ感想⑧


考察できる事柄が多すぎる映画「ロスト・ハイウェイ」ですが、今回はラストシーンについて考えたことがあるので記事を書きました。

 

突然ですが皆さん、この絵を見てどういう感想を持たれますか

 

フランシス・ベーコン作「ベラスケス<インノケンティウス十世の肖像>による習作」と言う絵です。何とも不気味な、禍々しい空気の漂う絵画です。元になったベラスケス作の絵のほうはこちらです。

中野京子さんの「怖い絵2」でもこの絵は解説されているのですが、インノケンティウス十世というのは当時のローマ法王で、彼の人間性までも写し取ったこの絵は、本人をして「正鵠を描きすぎている」と言わしめた出来なのだそうです。

彼が「清廉潔白」な人間ではなく、さまざまな手段を用いて現在の座にあるということ。絵を見た人にそう思わせるのは「彼の目線」です。小狡い狡猾そうな目線と、どこか描き手を「描けるもんなら描いてみろよ」と侮ったような表情。

この絵は単なる肖像画ではなく、一人の高位の人間の人となりを一枚の絵に画家が描き切った「怖い絵」なのです。

一番上の絵「ベラスケス<インノケンティウス十世の肖像>による習作」の話に戻します。この絵は前述のベラスケスの絵にイマジネーションを受けてフランシス・ベーコンが描いた絵ですが「よりあからさまに、より禍々しさを加味した絵」であることは間違いないと思います。

確実にこの絵を見た人はそのインパクトに驚愕すると思いますし、小さい子供に見せようものなら一瞬で泣かれそうです。

まずこの絵に感じたのは「電気椅子」というイメージだった

前置きが長くなりました。「ロスト・ハイウェイ」のラストシーンを見て私が思い浮かべたのは「ベラスケス<インノケンティウス十世の肖像>による習作」この絵そのものでした。

この絵はどこか「電気椅子」に座った人を思わせます。最後のビリビリビリビリ!とフレッドが痙攣するシーン、ひょっとして私は「フレッドが死刑になった瞬間」のメタファーではないかと思いました。

なにより、デヴィッド・リンチが「デヴィッド・リンチ:アートライフ [DVD]」で影響を受けているアーティストとして公言しているのが

 

フランシス・ベーコン

 

 

 

 

 

 

 

 

エドワード・ホッパー

ルネ・マルグリット

 

 

という三名の作家です。特にエドワード・ホッパーの「ガスステーション」はウッズマンがウロウロしていた「コンビニエンスストア」の外観に多大な影響を与えているようです。

またホッパーの女性が立っている絵に関しては、同じく8話でウッズマンに襲撃された「ラジオ局の女性」のモチーフになっているようです。

ごくさりげない日常の雰囲気を描きつつも、どこか不穏さや不気味さが漂う画風ですね。

(下記:英語ですがデヴィッド・リンチ アートライフの予告的な動画です)

 

「ベラスケス<インノケンティウス十世の肖像>による習作」と「ロスト・ハイウェイ」のラストシーンが似ているというのは私の勝手な想像なのですが、リンチはもともと画家を志していた監督なので、こうした「絵から想起されるイメージを映像化した」というシーンがまだ沢山あるかと思います。

 

https://twitter.com/LynchArtLifeJP/status/991260194360385536

 

 


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