まるで悪夢にも似た日常~デヴィッド・リンチ「ロストハイウェイ」感想①


デヴィッド・リンチ監督が好きなブログ主です。「ツイン・ピークス」に心を鷲掴みにされてすでに30年近くの年月が経っているとは俄かに信じられません。

しかも去年のWOWOWで「ツイン・ピークス The Return」が放映され始めたもので、そりゃWOWOWにも加入しますよ・・・。

「ロスト・ハイウェイ」は「The Return」屈指のポカン回二話、八話、最終話を見た「なんじゃこりゃ・・・誰か・・・誰か説明して・・・」感が非常に感じられる映画でしたね。

ていうか、リンチこの辺(1997年)からThe Return的なの撮ってたのかい!というかこの映画が「The Return」のルーツというべきか。

5年の沈黙を破り作られた新作。リンチのメッセージがこもらないはずもなく

私はまずこの「ロスト・ハイウェイ」は初めてです。で、ふつう映画見るときってDVDのパッケージの裏を見るじゃないですか。そこの言葉を一部引用しますね。

公開直前にリンチの特集を組んだアメリカのTV番組のキャスター、チャーリー・ローズは「ロスト・ハイウェイを見た感想を一言で「Lynch is back(リンチが帰ってきた!)」と評したが、これこそ「ロスト・ハイウェイ」を見終えた後の直接的な反応だろう。

その通り、馬鹿馬鹿しいまでにすごい、ここまでパワフルな映画体験はそうはない、という程のダークかつ奇妙にハッピーな作品なのだ。

 

あらすじに触れるどころかずっとこんな感じなんですよ。こんな映画紹介がありますか・・・私こんなの見たの初めてです・・・。それを見て私は思いました。

つまり訳の分からない映画なのか・・・書いた人が説明に苦労するような・・・

 

まず度肝を抜かれたのが延々と夜の道路を走り続ける映像がずっと続いていること。

これ・・・ツイン・ピークスThe Returnの最終回じゃないの・・・

と思いました。いや時間軸がおかしいね。こっちのほうが先だから。でもリンチの映画だから、こんな奇妙なことだってあり得る気がする。

21年前の「ロスト・ハイウェイ」の時間と「ツイン・ピークスThe Return」の最終回の時間が円環構造になっていてもおかしくない。

だってリンチだから。散々「時間とか空間を超える」という事象を描いてきた監督だから、そんなことを考えるのも楽しい。

この映画を見ていて終始感じていたのが、やはり「The Return」との類似性。だから「21年前の映画と21年後のドラマがリンクしている」みたいな奇妙な感覚を抱いてしまったんだと思う。

 

現実との恐怖のリンク。こんなリンクがあっていいのか、とオチにゾッとする

ところで本当に作中の「ミステリー・マン」って不気味ですよね・・・。私今一回目見終わってすぐもう一回見直してるんですが、やっぱり何回見てもミステリー・マンが怖くて怖くて仕方ないです。

特にパーティ会場で会って「お会いしたことがありますよ」と白塗りの眉なし顔でニマニマ笑いながら言ってくるシーン。

「どこで?」と聞き返すフレッドに対し「あなたの家で」「何かの間違いじゃないか?」「いいえ、今もあなたの家にいますよ」とものすごく嫌なことを言ってくるミステリー・マン。

まさかリンチの映画で「もしもし、私〇〇。今、あなたのおうちの傍にいるの」的なネタを見るとは・・・

このネタってかなり古典的な都市伝説ですけど、やはりアメリカにもこういう同じような恐怖譚ってあるんでしょうね。

普通に聞いても「うんうんそのネタね、よくある怪談ね」と微塵も怖くないけど、こんな怪しすぎる暗黒舞踏みたいな顔したおっさんに言われたら怖すぎるやろ・・・

いま、あなたのうちにいますよ・・・電話してみますか・・・?

と促され「適当フカしやがって~」という半笑い顔で渡された携帯電話で自宅に掛けるフレッド。「今あなたの家にいますよ」受話器からミステリー・マンの声が聞こえてきてヒッ!となるフレッド。

「電話を返せ!」と受話器口から返されて、ミステリー・マンに硬い表情で携帯電話を渡します。相変わらず嫌なニヤニヤ笑いをしながら立ち去るミステリー・マン。怖えよ!

というか、多分架空の存在なんだろうと思ったらどうやら実在しているらしい。新手のスタンド使いかよ!

それで、あまりにもミステリー・マンの怪演が気になったので「ロバート・ブレイク」をウィキで調べたんですよ。

ちょっと待って・・・関連人物O・Jシンプソンって・・・

この「ロスト・ハイウェイ」のモチーフになったハイウェイ逃走シーンの人物じゃないですか・・・

更に読み進むと「関連人物」の理由が分かりました・・・

なんとロバート・ブレイクは「O・Jシンプソンと同じ容疑で2002年に逮捕されていた

何!?怖すぎるんだけどこの映画!未来を予知したんですか?

作中人物と、モデルになった人と、映画に出た役者が同じ容疑で逮捕されるなんてことあるんですか!?

この映画の終わり方にも結構なショックを受けたけど、今日はこれが一番戦慄したネタです。

「ロスト・ハイウェイ」の世界が数年後、現実にリンクしてきていたなんて本当に怖すぎます。

始めリンチはこのブレイクさんがこういう事件に関わったことから起用したのかと思いましたが、さすがのリンチもそこまでやるはずもなく・・・

とにかくまだ全然語り切れてないのでまた「ロスト・ハイウェイ」は記事を書きます。

 

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カンザスの田舎町で、一家4人が惨殺される事件が起きた。凄惨な現場の様子から、犯人の異常なまでの残虚性が浮かび上がる。何が犯人をこれほどまでに冷血な犯行に駆り立てたのか。

実際にアメリカで起きた事件をモデルにした元祖「ノンフィクション・ノベル」トルーマン・カポーティ原作「冷血」の映画化。

冒頭とエンディングのデヴィット・ボウイの疾走感のある曲が好きでした。

 


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