愛されるヒロイン、疎まれるヒロイン②(ボディガード編)


ひさびさにWOWOWで「ボディガード」を見て、完全に参っているブログ主です。

ボディガード (字幕版)
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この映画が公開された当時私は中学生だったのですが、洋楽で初めて自分で購入したアルバムがこの「ボディガード」のサントラでした。

強すぎる影に隠された「平凡」のかなしみ

オールウェイズ・ラヴ・ユー~ベスト・オブ・ホイットニー・ヒューストン(デラックス・エディション)
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当時はホイットニー・ヒューストン演じる「レイチェル」とケビン・コスナーが演じる「フランク」の恋物語としてだけ見ていたのですが、二十年以上経って見てみると、レイチェルの姉の「ニッキー」に目がいってしまいます。

ニッキーは歌手を目指していた女性で、作中のヒロイン「レイチェル・マロン」の姉です。ニッキーはスーパースターで気性の激しいレイチェルとは違い、穏やかで理性的な女性で、妹レイチェルの影の存在です。

歌もうまい。ダンスも鍛錬を積んでいる。決して才能がない訳ではない。けれど彼女がなにをしようとレイチェルが壁となって立ちふさがります。レイチェルの眩しすぎる光の影にニッキーは隠されてしまうのです。

 

ポスタ- A4 パターンB ボディガード 光沢プリント
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その上、同じ男性を愛することになります。狂気的なファンに狙われているレイチェルを守るため雇われたフランクに出会った瞬間、ニッキーはフランクに惹かれます。

ところがまた、レイチェルが彼女の壁になってしまいました。いくら優しく生真面目に振る舞っていてもフランクが見つめるのは高慢でわがままなレイチェルばかり。

ポスター/スチール 写真 アクリルフォトスタンド入り A4 パターン5 ボディガード 光沢プリント
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依頼主だからというだけではなく、フランクの視線に妹への明確な好意が含まれていることを感じたニッキーは、もの言いたげな瞳でフランクを見つめるばかりです。

         

切なすぎ「いい人」なのに好かれない

そんなニッキーに対するフランクの態度は本当に「普通」です。

あ、本当にこの人ニッキーのことどうでもいいんだろうな

という態度が完全に出ているのが切ないです。私はやはりこの「ボディガード」という映画でフランクとレイチェルのカップルしかありえないと思うのですが「ふつう男性ってニッキータイプのほうがすきじゃない?」

などと思うのです。だってレイチェルかなり嫌な女だもの。「雇われの身だってこと、忘れないようにしてよね!」と自分が危険な立場なことを知らないとはいえ、エラソーに言うし、フランクのことめちゃくちゃにけなすしヒステリーだし。フランクはさすがプロです「うるせーこのバカ」などと言わず淡々とレイチェルをガードします。

ポスター/スチール 写真 A4 パターン3 ボディガード 光沢プリント
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フランクがなぜレイチェルを好きになったのか本気で分からない私です。

いや本当に私この映画好きなんですけど。ヒステリーも起こさず、穏やかな口調で話すレイチェルに似た女性なのになんでニッキーじゃだめなの!?と本当に思います。やはり男も女も「いい人」っていうだけでは好かれないのか・・・悲しいですね・・・

「私にはなにもない。あの子が消えればいい」と願う情念

結局レイチェルの命を狙っている黒幕がニッキーだった訳なのですが、彼女が決定的に「レイチェルなんていなくなればいいのに」と思ったのはおそらくレイチェルがフランクと朝帰りをした日なのだと思います。

ポスター/スチール 写真 アクリルフォトスタンド入り A4 パターン7 ボディガード 光沢プリント
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レイチェルのようにフランクに愛されたい。でもフランクが愛しているのは自分ではなくレイチェル。私じゃダメなの?そうだ、レイチェルがいるからいけないんだ。だったらあの子が消えればいいのよ。ニッキーの情念はそうして加速していったのだと思います。
これまで自分が輝けなかったたくさんの挫折経験すべてよりも「絶対に譲れないもの」そう、彼だけが彼女の求めているたった一つのものだったのです。

恋しい人の優しさが痛い。「自分の真の姿」

愛よ永遠に〜ボディガード25周年記念盤
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ニッキーは甥っ子まで危険な目に合ったことを切っかけに、フランクの前で自分の罪を告白し、自分の醜さ、業の深さ、嫉妬深さをすべて投げ出し、悔い、涙を流します。
結局彼女は真犯人に撃たれて命を落としてしまうのですが、すべてを告白したあとの彼女の人生はあまりにも悲しすぎました。妹と同じ男性を愛してしまっただけなのに、輝きの強すぎる妹が全てを得てしまう鬱屈。

もちろん彼女のやったことは何の弁護もしようもないほど悪質ですし陰湿な行為です。けれど、この「どうしても輝けない者の悲しさ」が意外なほど心に沁みてきました。

ホイットニー・ヒューストン 11806 写真 25X20cm
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やったことの内容はともかく、最後の彼女の告白には心を動かされました。湖畔で後悔からか、Jesus Loves Me(主、我を愛す)を歌うシーンが印象的でした。

「愛されたくても愛されない」という悲しみがあること。時に輝きの強すぎる人間のそばにいると、それだけで自分自身の影が薄く(なるように見える)ことがあること。

それは決して彼女の過失ではなくて、ただ「めぐり合わせ」が違っただけ。ニッキーの悲しい最期を見ていると、そんな風に思うのです。

 

この「天才と平凡」のテーマはかなり興味のあるテーマなので、これからも機会があれば取り上げていきたいと思います。

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